青い大自然の森


 はじめまして。皆さん、お元気ですか? 私は元気です。

 さて、私は自然の写真家で、主として自然の生態的表現を中心に、美しさ、哀しさ、ドラマ、ストーリーを追う、 いわば自然のドキュメンタリー・フォトグラファーです。 自然に保護され、また自然を保護することも考えたい写真家で、 単に「有名」で「きれい」で「よく売れる」といったものを撮るカメラマンでは、ありません。 また、動物が単に「かわいい」といっただけのカメラマンではありません。
人と大自然との関わりをとらえる時、そこには何か、とても大きな”空気”が存在するのです。 その”空気感”が私の表現の、いわば勝負といったようなものです。

 このたび、青森のABAさんから「是非インターネットを!」というご要望がありまして、 私も初めてこの世界へ挑戦する事になりました。 一度始めるからには、そのコンテンツは長く、 良いものにしたいと考えています。私自身の中のエコ・ミュージアム (自然生態博物館というむずかしく聞こえますね。”大自然の本物の遊び場”くらいにとらえて) について重ねて努力して、いずれそれぞれのテーマでも、まとめても、一冊の本となれば幸いなことです。
私は今まで何冊かの本や写真集を出版してきましたが、 インターネットは、商業主義と遠いものもデジタル出版できるというメリットがあります。 こちらの方も今後、きちんと考えたいことですね。 ABAさん、これを機会に、末長いおつき合いをお願い申し上げます。 (そうそう、私の写真集『白神山地』も系列(親玉?)の朝日新聞社からの出版でした。)
 それでは、初めてですので、簡単に写真・自己紹介としましょう。 私は、小樽市に育ちました。(写真@)

小樽はよく知られた美しい街ですが冬は厳しかったです。 私は、そこで中学生の時、良い絵の先生に恵まれ(冨沢 謙【とみさわ けん】先生といいます)、 先生に、構図や本物の絵心を学びました。

小樽運河は多く、小樽の画家を育てました。 もちろん私は不器用で、画家になろうと思わなかったのはいうまでもありません。
写真@

写真A
 私を最初に自然に結びつけてくれたのは下北半島のサルです。

ここのニホンザルは後に、詳しく記す予定ですが、 世界最北限のサルでほんとうに美しいサルたちです。(写真A)

写真は、脇野沢村九艘泊で餌付けされ保護されたサルたちですが、 後に私は大間の山中の本物の野生を20年近く追うことになるのです。
 世界遺産として超有名になった白神山地は、私が弘前に住んでいた12年間は、 ほんとうにホームグラウンドの山でした。
・・・といっても白神山地の中へは道も少なく、ツキノワグマもいるといった具合で、 なかなかたいへんだなーと思っていたところに自然保護運動が始まり、 私も参加しながら調査を進めたのでした。 その足跡はそのまま白神を私なりに語るものとなります。
これも追い追い書いていきましょうね。 山が努力を認めてくれ、ようやくクマゲラの生息を追求出来るまでになりました。(写真B)

白神の中には大変な宝物が眠っています。 数々の巨木(写真C)もそうですが、人の心の持ちようを「歩く」という努力のかけ方によって、 それぞれの人に見え方、研究の仕方が異なるわけです。
そんな思いを以下にエッセイにしましたので、時間のある方は是非ご覧ください。

白神の案内はこのページの中でもエコツアーとして紹介していきたいと思います。 皆さんも一緒に楽しみませんか。

写真B
写真C


感動してシャッターを押す白神山地
−開かれた感性の山を目指して−

 白神山地が世界的に貴重な自然として<世界遺産条約>に登録されて約8年が経過しました。

 主として青森県の自然を研究・撮影してきた私にも、また県内をはじめ世界中の多くの人々にも、 自然の遺産が増え、開発のない太古からの生態系が保護されることは大きなメリットです。 このメリットを県内の自然関係者のひとりとして私はぜひ生かし、活動していきたいと考えています。

 広く海外を見渡してみると、山との関わりは日本の国立公園とは違っています。 もちろん<観光>の側面は似ていますが、そこには、<自然体験>的ニュアンスが強く、 自然の側に立った観光開発を心がけている点が明らかで、大変うらやましいところです。 また、合理的に人が活動しているのです。山の自然のガイダンスあるいはパンフレット、 トレッキングと呼ばれる山歩きによる自然利用の的確さ(日本であればすぐ舗装道路にして 車で簡単に見られるようにして、逆に自然を破壊してしまう)、 自然研究者の開かれた科学的情報サービスやイベントなどなど・・・・・・ 開かれて多くの人が楽しめるようにしていながら、 自然の生態系が壊されないようになっているのには感心させられて帰って来ます。

 海外の自然のスケールは白神山地よりはるかに大きい。 だから、白神山地ではもっともっと考えたいことであるし、 ほかの県内で保護すべき自然もきちんとモニターし続けていかなくてはならないと思います。 私たち自然観察者の仕事であり、期待される責任であります。

 新緑の時期の白神山地は美しい。もちろん私は、どの季節、どんな天候の中での白神の自然の様子も 心から感動して撮影しているし、感動しなければシャッターを押すことはありません。 いつも感動を、それも豊かに与え続けてくれる白神山地・ブナ大原生林を心から愛してやみません。

 しかし、多くの人が楽しめるシーズンは、この新緑時期から始まる。 原生自然の息吹の中で、まず、県内の世界有数の大自然を呼吸していただきたいと思います。

 そして今は秋の黄葉が始まる。


 私は本日から、アメリカのテロの後でちょっと気がしぼみますが、 オーストラリアに行き、車を整備して、二週間の旅に出ます。 次の更新は帰ってまもなく致します。 それでは皆さんお元気で!
2001年9月14日 青森空港にて 江川正幸

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