青い大自然の森
江川正幸の白神山地研究−1
私はたびたび大学をはじめとしてさまざまな所でこのことについて講演・講座を重ねて良い方向へ持って行くよう努力してきました。以下のまとめはその一例で、この精神性の基本を押さえてくれる団体であれば、どこでも協力します。何より、活動内容や代表がしっかりしていることが必要です。白神のエコロジー・ブックについては出版元が決まり次第、決定版として今年を目途に、出版します。以下に基本となる概念を示しますが、どのような民主的な自然文化活動にもあてはまるものと考えています。

△白神エコロジー基礎講座を終えて――― 青森市で行われた本講座に対する受講者あての私のメッセージ
@ 白神につながる自己の立脚点を持てたでしょうか?
A これは「白神での人材育成」を考えた、本県では初めてのもの。従って、不器用な点も多かったが、「先進的な試み」との世評が高く、私たちの開かれた方法に刺激されていく団体もこれから増えるだろう。こうした刺激効果も今回の私たちのねらいだった。しかし、全国的に見ると、遅れた出発だった。
B 今後、「財政援助があっていい活動」と評価されることがあれば幸いである。
C 今回は手作り、ボランティア活動で、ボランティアでお茶、お菓子など、手伝ってくださった方々には心より感謝申し上げます。
D センターは専門的及び個人的研究活動を尊重することによって実のある市民活動に結び付くというコンセプトの元に、偏らず、開かれた団体となるよう更に努力していく。そのためにも多くの人の参加がいい。
E センターは当面、出入り自由の民主的な会にしているが、「認定証」を手にされた方はぜひセンターがバックボーンに存在していることを忘れずに行動し、専門的研究に利用してください。入山はあくまでも自己責任において。入山困難なルートは相談下さい。核心部への入山は講座で教えられた県自然保護課の方法に従って手続きしてください。
F リーダーとなる人はていねいに説明し、現場においての知識と行動で評価されるべきで、相手に対し、自然に対し謙虚に、そして楽しく。自分の専門以外のことはいつも自然や他の人に教えられる気持ちで。解説内容はボランティアの場合も絶対に手を抜かないこと。プロであること。
G いろいろなことについて、納得のいくまで議論しなかったが、時間の関係上、尽くせないことが多かった。しかし、意見を統一する必要もないので個人の裁量に委ねられる。(「多様性」を重んじなければ、白神の自然の多様性に対応はできない。)意見の調整は行う。
H 今回は前書き、「総論」を終えた段階であり、先は長い。次回以降は「各論」部分を現場学習を交え継続することが必要。「楽しく」、「興味を持ち続け」、最終的には「専門」を楽しみ「人」に伝えて欲しい。そのような会があれば、センターも協力していく。

△たびたび問題になった(皆さんの気になる)、白神の扱いについて――――
@ 弘前市内でもつれた人間関係を客観的に整理・評価し、今後きちんと提言していきたい。(もつれた間に工事が進み、清流がダメになった苦い思い出がある。)専門家各自がこだわるのは良いことだが、それを他人に強制しようとすると道を誤る。他人はより自由にものごとを発想していることを忘れないこと。「開かれた心」が不可欠。
A センターはこれまで多数の民間シンポジウムを開いてきたが、このような開かれたパネラーに偏りのないシンポを市民のために今後も開く必要があるかもしれない。あくまでも開かれた偏りのない方向で開かねばならない。パネラーも行政関係から対局にある反対者まで招き、問題解決の努力を行う。
B 白神山地に行って調査・研究できる人間は極めて少ないが、行って、そのような活動をしたいと考える人は多い。そのための手助けやコーディネートをする人材となり、知的なレベル・アップを図る。世界遺産の名にふさわしく、世界的な人とソフトを受け入れ、「共有」できる人材となる。
C センターが行うエコ・ツアーはより広い社会教育活動として位置付けられ、今後の皆さんの無償ボランティアあるいはボランティアが期待され、参加案内申し上げます。休日はエコ・ツアー・ボランティアで楽しもう。
D 入山規制の公平性が保たれていないという指摘がある。(例えば、入山禁止を言った専門家が自分だけ入っていたり、自分が入らないから何が何でも他人は入るなという話から、入山規制そのものを疑問視するむきも根強い。)窓口の対応も民主的ではなく、これでは誰の白神山地かと考える人も多い。感情でなく知的に解決していく。
E 「窓口の対応こそ入山許可となった現在では事務的にも、合理的な対応がきちんとできるようにしてもらいたい。」ということは大多数の入山者の願いであるようだ。最近でも営林局や署の窓口の対応に実際に明らかに悪い対応があり、連絡したくないと言う人もいる。白神は国民全体で守る世界の山だということが広く認識されており、このような公平性のない対応が改善されるように望んでいく。認定証はこのような場面できちんとした評価を県の自然保護課さんからもいただいてはっこうしたものだということも心に留めていてください。
F 監視員は多くがボランティア活動と聞くが市民活動との連携をとり、協力し、研究し合うことが必要と考えられ、時には市民の側が専門分野では指導する必要もある。将来的には行政と市民活動の垣根を取り払い、協働していく。今、世の中は確実にその方向に進んでいる。監視活動は人間排除の監視ではなく、本格的に生態学を学び本格的な説明を入山者にできるような人を市民も来訪者も望んでいる。そのようなサービスも今後白神で実現しなければならない。
G 上記のことを正しく位置付けることのできる人材育成・エコロジー教育を今後ともセンターとして多くの人たちと行っていく。
以上
1999年4月2日
(文責・江川正幸)

二ツ森山頂 山中を進む

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