高校野球夏の甲子園は21日、準決勝が行われました。創部初のベスト4となった青森山田は準決勝で京都国際に敗れ、初の決勝進出とはなりませんでした。
深紅の大優勝旗まであと2つ。春のセンバツ以来およそ5カ月ぶりに甲子園で顔を合わせた両者。それぞれにとって新たな歴史への挑戦が幕を開けました。
先発のマウンドに上がったのは甲子園で無失点ピッチングを続ける2年生の下山。ここまで全試合で2桁安打を放っている京都国際打線を相手にノーヒットピッチング。落ち着いた立ち上がりを見せます。
そのウラ青森山田はU18日本代表候補のエース中崎からノーヒットでチャンスを作ると、頼れる4番・原田。
「すごい当たりが飛んでいく。セカンドのグラブをはじきました」
ライトへの痛烈なタイムリーツーベース。主砲がチャンスを逃さず、いきなり先制します。
【原田選手の父・敏光さん】
「打ってくれてよかったです。先取点入れてくれてよかったです」
なおもチャンスで5番の吉川はセンターへの犠牲フライ。クリーンナップがしっかり活躍、幸先良く初回に2点のリードを奪います。
先発の下山は毎回のようにランナーを出しながらも、持ち味のコントロールを武器に3塁を踏ませないピッチング。5回にはキャプテンのキャッチャー橋場が盗塁を刺すなど京都国際打線を5回まで2安打無失点に抑えます。
アルプスには25年前に初のベスト8を達成したOBが集まり、後輩たちにエールを送ります。
【田邉元さん】
「青森県初の優勝になるので、青森山田が一番に優勝してほしいなと思います」
【福代隼士アナウンサー】
「試合は5回が終わり、青森山田がリードしています、後半も勢いそのままに決勝まで突き進みます」
逃げ切りたい青森山田は6回からエースの関をマウンドに送ります。しかし、その立ち上がりを狙われました。
2本のヒットにデッドボールが絡み1アウト満塁のピンチ。5番・長谷川にフォークを拾われ同点に追いつかれると、6番・服部への初球…
「ピッチャー返し、あっ、はじく。3塁ランナーが勝ち越しのホームにかえってきました」
ピッチャーゴロの間に3塁ランナーがホームに。勝ち越しを許します。
【関浩一郎投手】
「エースとしてゼロを作ってくれるだろうという思いが監督からもチームからも任された思いはありましたし、期待に応えられなかったところは自分に対する反省が一番大きいかなと思います」
まだ1点差。反撃を狙う青森山田はそのウラ4番・原田が出塁すると、5番・吉川のヒットで原田が果敢に3塁を狙いますが、ライトからの好返球でタッチアウト。相手の固い守りに阻まれチャンスを作れません。
青森山田は7回にもピンチを迎えますが、ショート吉川が好プレーをみせ、相手に流れを渡しません。エースの関も気迫の投球。逆転を信じ、8回、9回を三者凡退に抑えます。
センバツではサヨナラ勝ちで京都国際を破った青森山田。9回ウラ、先頭の4番原田がフォアボールを選び出塁すると、この試合当たっている5番・吉川でしたがダブルプレー。これで2アウト。
打席に立つのはここまでチームをまとめてきた6番・橋場。
「セカンドゴロ。スリーアウト」
京都国際のダブル左腕を前に、5安打に抑えられた青森山田。逆転負けで初の決勝進出とはなりませんでした。
【関浩一郎投手】
「日本一を目標にやってきたチームなので、そこが達成できなかったところは一番反省かなと思います」
「春に最初にマウンドに立たせてもらいましたけれど、最初から最後まで自分の理想の場所でしたし、夢の舞台でありましたし、最後の最後まで楽しいという思いがありました」
【橋場公祐主将】
「負けてしまったんですけれど、甲子園で4試合できて、すごく幸せだったなと思います」
「(後輩たちへ)これまで以上にプレッシャーだったり重圧だったり、周りに目が変わってくると思うので、自分たち以上に苦しくなると思うんですけれど、後輩たちには甲子園に帰ってきてもらって、日本一をとって帰ってもらいたいと思います」
夏の甲子園 青森山田 21日に準決勝 京都国際のダブル左腕を警戒 センバツではサヨナラ勝利