女子の高校野球で今春、青森県内で初めて弘前学院聖愛高校に硬式野球チームが誕生しました。甲子園を目指して野球がしたいと、県内から5人の部員が入部しました。チーム始動の様子を取材しました。
2021年夏の甲子園に出場した、聖愛高校野球部のグラウンド。そこで白球を追うのは女子部員たちです。
【吉田恵華さん】「甲子園出場目指して、チームでどんどんレベルを上げていって
【原田愛望さん】「甲子園でホームランを打てるように頑張りたい」
甲子園を目指す女子高校生たち。この春、夢への一歩を踏み出しました。
4月8日。期待と緊張が入り混じった5人の姿がありました。部員の中で一番遠いむつ市からの進学、原田愛望さん。白米大好きムードメーカー、板柳町出身の山内美那海さん。唯一の特進コース、青森市出身の三浦雪穂さん。夢は日本一のショート、東北町出身の山本楓香さん。希望ポジションはファースト、おいらせ町出身の吉田恵華さん。県内各地から集まった5人。野球が彼女たちを結びました。130年以上の歴史を誇るキリスト教主義の弘前学院聖愛高校。讃美歌や頌歌の斉唱もあり、およそ45分の入学式が終了しました。
【山内美那海さん】「本当に青森県に初の女子硬式野球部ができるんだなっていううれしい気持ちと、少しドキドキな気持ちといっぱいあります」
こちらの山内さん。板柳中学校時代には男子もいる中、エースピッチャーとして活躍。
【山内さん】「私は甲子園に3年かけていくことが目標です」
入学式終了後、何やらバタバタと動きが。山内さん以外の4人はこの日から寮に入ります。実はこの寮、10年以上使われていなかった他の部活の寮を、女子野球部員のためにリフォームしたもの。まさに引っ越し作業の真っ最中に少しだけお邪魔させてもらいました。
野球道具以外にも、お気に入りグッズを持ち込んでいる部員も。山本さんは、中学時代の恩師の言葉を書いた色紙を持参。
【山本さん】「これを見て頑張ろうと思ったので、持ってきました」「自分で書きました」
こちらは吉田さんの部屋。お気に入りの縫いぐるみを紹介してくれました。
【吉田さん】「友達からもらってサイズ感が好きです」「絆も寮で深めながら頑張っていきたい」
この春から寮母を務める舘山朋良さん。女子部員4人の生活をサポートします。
【舘山さん】「皆不安だらけだと思うんですね」「とにかく大丈夫大丈夫という思いを伝えていけたらと思っています」
3日後。聖愛野球部のグラウンドにやってきた女子部員たち。この日は待ちに待った初練習の日です。聖愛中学校の生徒2人も加わり、7人で練習。男子野球部の練習がなかったため、球場全体を使って練習をすることができました。
女子チームの監督を務めるのは、聖愛野球部の前部長の太田淳さん。
【太田監督】「いよいよ来たか、という感じですね。せっかく中学校まで野球を続けてきた子供たちが、高校になって諦めざるを得ないという現状があることが分かりました。まず試合ができるところまで持っていきたいと考えています」
全員が野球経験者ですが、高校からはボールが軟式から硬式に。まずは慣れない硬式球の感触を確認します。
【山本さん】「どこでバウンドしてどこで取ればいいかとかまだ分からない状態なので、当たったら痛いとかそういう恐怖とか不安とかはまだあります」
【三浦雪穂さん】「緊張しています」「硬式にもあまり慣れていないので、少しずつ慣れていければなと思っています」
守備練習の後にはバッティング練習。快音がグラウンドに響きます。そして、初練習最後のメニューは1キロのランニング。まさに守って打って走って、4時間半にわたる初練習が終わりました。
【原田愛望さん】「不安も最初はあったけど、実際にやってみると久しぶりの野球楽しくて」
【山本楓香さん】「初日、たくさん収穫があった練習だったのでやった意味はあったと思います。疲れました」
【山内美那海さん】「結構ハードでしたよね、ハードでしたけどでも楽しさの方が勝ちました、きょうは」
(Q.今食べたいもの)「お米です!」「炊き立ての!」
女子の硬式野球は、7月に全国大会の予選が開催されるということで、聖愛の5人はまずは合同チームとして大会への出場を目指しています。