4月16日(土)、隅にはまだ溶け切らない雪の塊が残る青森山田高校グラウンド。青森山田高校セカンドはホーム開幕戦となる高円宮杯U-18プリンスリーグ東北第3節で、ベガルタ仙台ユースと対戦した。
2-0で青森山田セカンドが勝利した前節・モンテディオ山形ユース戦同様、前半は0-0のままスコアは動かず。
「ハーフタイムには、立ち位置などを若干修正しました。チームとしてプレッシャーをかける、スイッチを入れる位置が低かったので、もう少し高く行こうと意識させるなど、正木昌宣ヘッドコーチの方から細かい修正があり、僕はまた別の視点から気付いたことなどを話しました」(松本晃コーチ)
両チーム共に決定機を作りながらもゴールに結びつけられないまま迎えた後半35分、青森山田はロングスローから、最後はDF小泉佳絃(2年)が押し込み先制。しかし試合終了が迫る後半45分、ベガルタ仙台ユースが同点に追いつき、試合は振り出しに戻る。それでも最後まで青森山田セカンドの、勝利への執念が途切れることはなかった。アディショナルタイムに入り、残り時間はあとわずか。FW武田陸来(3年)の放ったシュートがゴールネットを揺らし、土壇場で勝ち越しに成功。
「チャンスだと思って、1本中の1本を取ろうと」と決勝点の場面を振り返った武田。青森山田セカンドは2-1の劇的勝利でホーム開幕戦を飾り、2連勝で首位・尚志高校と勝点で並ぶ2位となった。
「ユースのチームと2戦連続というなかなか厳しい対戦カードの中で、ここで2連勝して流れを掴んでいこうと選手とは話して(試合に)入りました。押し込まれたりボールを持たれたりすることが多い厳しい試合でしたが、こうして勝ち切れたのは選手の自信にもなったと思います」と試合を振り返った松本コーチ。
先制弾を決めた長身DF小泉佳絃(2年)は、「初ゴールを決めたことは嬉しかったですが、失点0で抑えることにこだわっていたので悔しいです。次も、勝つこともそうですがディフェンスとして失点0にこだわっていきたいです」と話した。
「2年生が多い中で、3年生の自分が引っ張っていかなければ、という思いがありました」
決勝点を挙げたFW武田陸来(3年)は鹿島アントラーズノルテ出身。このまま鹿島のユースに進むのか、それとも別の道を行くのか、進路に悩んでいた中学3年生の夏休みに青森山田の練習会に参加したことで心を決めた。
「練習会でトップチームと練習させてもらって、レベルの高さを感じました。色々なチームの練習会に参加しましたが、青森山田が一番レベルが高かったです」
今季はプレミアリーグでも途中出場の機会を得ている武田だが、ここまでは試合終盤からの短い出場時間にとどまっている。1トップを張るFWとして、「自分の背中を見て、ついて来て欲しい」という思いでチームを牽引するストライカー。待望の今季初ゴールは格好のアピールとなっただろう。
この春に青森山田高校を卒業したMF宇野禅斗(現・FC町田ゼルビア)は、高校1年時にプリンスリーグに出場し、2年生からトップチームのレギュラーとなった。MF小野暉(現・山梨学院大)も、3年時にセカンドチームのレギュラーとトップチームのサブを兼務しながら成長し、最終的にはトップチームで定位置を掴んだ。
青森山田セカンドは次節、4月23日(土)にアウェイで仙台育英学園高校と対戦、ホームでは4月29日(金)にブラウブリッツ秋田U-18との試合がある。プレミアリーグを戦う青森山田トップチームと共に、プリンスリーグに挑むセカンドチームにもぜひ注目して欲しい。
取材・写真・文/青森ゴール
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