大間町の女子高校生キックボクサー、伊藤咲花選手。漁師である父・俊さんと二人三脚で浜小屋で日々練習を積み、アマチュア戦で結果を残してきました。そして7月31日、プロデビュー戦に臨みました。
【藤原祐輝アナリポート】
「プロデビュー戦が行われる宮城県東松島市の会場にやってきました。会場の外には子どもから大人まで、キックボクサーたちがたくさん集まり、試合に向けて着々と準備を進めています」
ドラゴンボクシングスタジアムで行われたキックボクシングの大会。子どもから大人まで、エントリー総数は100人以上!60試合以上が行われます。
この中で、プロの出場は伊藤選手を入れてわずか10人。会場の中に入ると、ライトに照らされ輝くリング。キックボクサーたちの戦う音が響きます。伊藤さんのデビュー戦はアマチュアの試合の後。アマチュアはヘッドギアなど防具を着用しますが、プロは使用しません。
試合の4時間ほど前、会場付近に伊藤選手の姿が。
【伊藤咲花選手】
(Q.調整は)「かなり良い感じで持ってこられたと思います」
【父・伊藤俊さん】
「一緒にきょう試合に出る唯一の女子の練習パートナーです」
三沢商業高校3年のメンリー舞愛選手。
【メンリー舞愛選手】
(Q.伊藤選手の存在)「親友です!」
メンリー選手の試合が始まりました。伊藤選手も準備の合間を縫って応援に駆け付けました。
親友の勝利を見届けると、伊藤選手は試合直前の選手が集まる控室に入りました。刻一刻と迫るプロの試合の時間。父・俊さんと2人で念入りに動きを確認をします。
【伊藤咲花選手】
「圧倒的な試合で勝ちます」
この日のために作った赤い衣装に袖を通す伊藤選手。背中には大間高校の文字が。
「これより本日の第2試合を行います、まずは青コーナーより伊藤咲花入場!」
【父・伊藤俊さん】
「きょう来たんだよ、勝って帰るよいい?よし行こう!」
対戦相手はプロ6戦目・YUKIUNAGI選手。1カ月半、毎日欠かさず5キロのランニングをしてきた伊藤選手。計量のため1カ月ほどで体重を6キロ絞ってきました。夏場にストーブをたいて練習した日もあったそうです。経験抱負な相手にも臆せずどんどん攻撃を仕掛けます。
【父・伊藤俊さん】
「いい?逃げてばっかりだと判定で負けるかもしれないから根性見せろよ!」
第2ラウンド、伊藤選手がダウンを奪います!
【父・伊藤俊さん】
「疲れてるの分かるけど根性出せよここまできて負けるのか?」
【伊藤選手】「負けないよ」
【俊さん】「負けんなよ!」
そして、最終第3ラウンド終了間際。
【俊さん】「連打連打連打、手を止めるな!」
(伊藤選手の連打にレフェリーが試合を止める)
「勝者!伊藤咲花!」
伊藤選手、大きなプレッシャーをはねのけ、プロデビュー戦を勝利で飾りました。
(お互い泣きながら、抱き合う親子)
【伊藤咲花選手】
「やっぱり試合前はいくら緊張してないって言っても、そういうプレッシャーとかがあったんですけれど、そういうのを全部お父さんと2人で乗り越えてやるって思って、話しながらずっときていたので、これがスタートだから満足してはいけないけど、ホッとした気分が一番ですね」
(Q.お父さんに一言!)「焼き肉連れてって!」