中学軟式野球です。21日開幕の全国大会に出場する浪岡中学校野球部ですが、部員数はなんと9人です。少人数かつ冬場の練習場所の確保が難しいという状況の中、工夫をしながら練習する様子を取材しました。
「気を付け!礼!お願いします!」
浪岡中央公民館の屋内グラウンド。少人数ではありますが、練習場内にはそれを感じさせないほどの元気な掛け声が響きます。2022年9月の青森県予選で優勝を果たし全国大会への切符を手にした浪岡中学校。
【鈴木陽監督】
「人任せできないので、一人ひとりが主役のつもりでやるように声を掛けています」
【中山道伍主将】
「少ないからこそしっかり考えて練習したり、試合でも考えて行動していきたいです」
チームの持ち味は?
【鈴木陽監督】
「攻撃力が売りですので、冬場に鍛えた筋肉を生かしてフルスイングで臨みたいと思います」
オフシーズンのトレーニングで各選手が増量。スイングスピードがアップしましした。日々の雪かきも筋トレになったそうです。
打線を支えるのが、小笠原悠陽選手。身長175センチ、体重87キロ!。学生離れした恵まれた体格から繰り出されるパワフルなスイングは全国トップレベルです。パワーの源は・・・?
【小笠原悠陽選手】
「お肉です!」「ホルモン!」
ホルモンパワーで2年生ながら中学通算5ホーマー。より多く打席が回ってくるように、4番ではなく1番に座り、打線に勢いをもたらします。守備ではキャッチャーとしてチームをまとめる攻守のキーマンです。
【小笠原悠陽選手】
「自分の持ち味は長打力なので、全国でも長打を打てるように練習しています」
全国大会目前ですが、雪国ならではの事情も・・・。
【鈴木陽監督】
「施設も月に2~3回ほどしか使えませんので、使える日はこうしてバッティングを中心に行っています」
【中山道伍主将】
「いつも体育館とか学校の校内で練習しているので、土の上で練習できる機会を大切にしていきたいと思います」
限られた時間の中で練習にも工夫を凝らしています。バッティング練習に注目。打っているのは、1度地面にバウンドしたボール。浪岡中学校オリジナル練習で、全国トップレベルのピッチャーが投げる変化球に対応するため2月から始まりました。ストレートとは違う軌道のボールを打つ練習に、選手たちも効果を感じているようで・・・。
【中山道伍主将】
「しっかり芯でとらえられるようになったので、ヒット打てると思います!」
【小笠原悠陽選手】
「とても変化球に対してミートできるようになったと思います」
地元の応援を力に変えて、初戦の相手は前回大会王者、鹿児島育英館です。
【中山道伍主将】
「とにかく元気に試合をして、1回戦突破頑張ります」
「全国大会頑張るぞー!」「しゃー!!」
浪岡中学校の県予選優勝は2年ぶり2回目で、2年前は県独自の新型コロナ対策と全国大会の日程が重なり、浪岡中学校は出場できませんでした。
大会に出られなかった先輩たちの思いも背負って、選手たち9人は初の全国大会の舞台に立ちます。選手たちは「道の駅なみおかアップルヒル」でリンゴ販売のお手伝いをしたり、1月には雪むろリンゴの貯蔵作業を手伝ったりと地域貢献活動にも励んでいます。浪岡の地元の人たちも力になっています。
文部科学大臣杯は21日に静岡県で開幕し、浪岡中学校の初戦は22日です。
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