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葉とらずリンゴの新ブランド「葉乃果」とは “見た目より中身” で全国へ

2024.10.03(木) 18:45

リンゴを買う時や食べる時、何を基準に選んでいますか?

リンゴの選び方が変わるかもしれません。

皆さんがお店で手に取るのは、全体が均一に色づいた赤いリンゴですか?

それとも、少し色ムラがあるリンゴでしょうか?

【リンゴ生産者 桑田久毅さん】
「こういう白いところあるんですけど、葉を取った赤いリンゴより全然味が上です」

【日本農業 りんご事業部 商品課 吉田慎吾課長】
「リンゴも見た目ではなく味、中身でしっかりと判断いただく」

これまでの概念を覆し、全国に販路を広げるリンゴの新たなブランドを取材しました。

訪れたのは、青森県平川市の桑田久毅さんのリンゴ畑。収穫しているのは早生ふじ系統の「ほのか」です。

少し色ムラがある「葉とらずリンゴ」。

太陽の光が当たることで色付くリンゴ。店舗によく並んでいる赤いリンゴは、リンゴの周りの葉を取り除くことで光を当たりやすくして栽培しています。

一方「葉とらずリンゴ」は、その名の通り葉をとらずに栽培するため、色ムラはできますがメリットもあるということなんです。

【リンゴ生産者 桑田久毅さん】
「こういうふうに葉を取らないと白い部分があるんですけども、葉っぱ生きているうちはちゃんとここで養分つくっていますので、リンゴに養分が吸収されて、味の濃いおいしいものになります」

桑田さんは「葉とらず」で栽培することで、おいしさがアップするだけでなく、リンゴの自然落果や鳥の食害も減ると言います。

(Q.生産者の方は葉とらずのメリットを理解)「そうなんですよ」
(Q.葉を取ったものが多い理由)「色付きないところがあると、流通の過程でやはり等級が落ちてしまう」
(Q.見た目を重視)「そうです」
(Q.味は負けていない)「味は格段に上です」

収穫したばかりの葉とらずリンゴをいただきました。

【中井友紀アナウンサー】
「めちゃくちゃおいしいですね」
「甘みもたっぷりある感じ。食感も良いですね、シャキッと」

収穫時期が遅い晩生種に比べると、柔らかいと言われる早生種でも「葉とらず」にするとパリッとジューシーな食感になるということです。さらに…。

【リンゴ生産者 桑田久毅さん】
「葉とらずにすると、おいしくなるっていうのもあるんですけど、農家的にはやはり労力の軽減はだいぶ助かる」

しかし桑田さんにはこんな悩みが…。

【リンゴ生産者 桑田久毅さん】
「“葉とらず”という名前がネガティブイメージがあるので、葉取らなくて終わったリンゴでしょ、みたいなイメージがある人もいるので、もう少し“おしゃれな名前”を付けたほうが良いんじゃないかと」

そこで、9月に誕生したのが、葉とらずリンゴのブランド「葉乃果(はのか)」です。

【日本農業 りんご事業部 商品課 吉田慎吾課長】
「葉とらずリンゴを農家さんから取り扱ってほしいと昨年から多くいただいておりまして」

全国に農産物の販路を持つ日本農業が、生産者の要望を受け、ブランドを立ち上げました。

各地で開催する試食販売会では手応えを得ているようです。

【日本農業 りんご事業部 商品課 吉田慎吾課長】
「この時期にこんなおいしいリンゴあるんだっていうような評価をいただくことがありまして」

この好評ぶりから、日本農業では生産者からリンゴを受け入れる時に支払う精算単価を「葉とり」と「葉とらず」で、ほぼ同額に設定しています。

【日本農業 りんご事業部 商品課 吉田慎吾課長】
「世の中、人の多様性とかが叫ばれている中で、見た目で判断するのではなく、本質を見てやっていこうと、それ(多様性)がリンゴの中にもあっても良いんじゃないかと思っていまして、固定概念・感覚を“葉乃果”のブランドを通して、イメージを変えていければなと思います」

「葉乃果」は、様々な品種の葉とらずリンゴをリレー戦略で、年間を通して販売していく予定です。
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