本格的な秋を迎えるとともに、黄色く色付いてきたイチョウの葉。大きなギンナンの実もたくさんついています。
八戸市田向にある「八戸市立市民病院」のすぐ側、「毘沙門公園」内に植えられている「毘沙門のイチョウ」。
29日には、八戸造園建設業協会の樹木医、釜渕一壽理事や市の担当者など9人が参加し、公開で樹木を診断しました。
2005年、都市計画の区画整理に伴う道路の拡張工事のため、元々あった場所から135メートル離れた現在の場所に移植されました。
大木の重さは100トン以上もあるとされ、大がかりな作業となりました。
樹齢は550年ほど。幹が根元から3本に分かれていますが、根は1つの大木となっています。
幹の周囲は7メートルほど。安全管理のため木の腐った部分をせん定してきたため、現在の高さは10メートルほどです。
「毘沙門のイチョウ」は、移植後しばらくは元気な状態を保っていたものの、次第に木の勢いが失われていきました。
2016年には「ナラタケ菌」という病原菌に侵されていることが分かり、根の周りの土壌に薬剤を投与するなど懸命な治療が続けられてきました。
【八戸造園建設業協会 樹木医 釜渕一壽理事】
「移植して樹勢が弱ったことが副因として挙げられる。弱った樹勢の中でナラタケ菌が幹の中に入って幹を腐らせる」
「ナラタケ菌に侵されて、もう枯死した部分に関して、これから切除しながら元気な部分も成長させていく」
ナラタケ菌を克服し、木の勢いが回復傾向にあることから、診断や治療は2024年度でいったん休止。
2025年度以降は、殺菌や養生管理をせずに自立できるかどうか、経過観察が続けられるということです。