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雪を利用した発電はできるのか 廃校になった小学校のプールで実証実験

2023.03.23(木) 18:45

果たして、雪で発電はできるのでしょうか。廃校になった小学校のプールと雪を使った発電実験が行われました。

【小笠原直樹記者リポート】
「この熱い太陽と、私の足元にあるこの雪の冷たさの温度差を利用した発電になります」

雪を使った発電の研究開発に取り組んでいるのは青森市に本社がある「フォルテ」と、共同で研究開発をする電気通信大学の榎木光治准教授が率いる研究チームです。

実験の舞台となるのは、青森市浪岡の旧大栄小学校にある25メートルプール。およそ3カ月前には空っぽだったプールですが、雪がプールいっぱいに敷き詰められて保管されています。その傍らには、研究チームによって組み立てられた発電設備。今回の実験では、温度差を利用して動くスターリングエンジンを使用します。

【電気通信大学 榎木光治准教授】
「上が急に膨張したら、太陽光とかで膨張したらそれ一気にシュッと沈みます」
「今度は下にいったとき、上が膨張しすぎているし、下は圧縮され過ぎているから今度は反発力で戻っていこうとする」

発電するためには、エンジンの上にある黒く塗られた銅のメッシュ部分に、集光レンズを使って太陽光を集めます。エンジン内の上の部分を太陽光で加熱して内部のガスが膨張する力と、プールの雪で冷やされた液体でエンジンの下の部分を冷やし、内部のガスが冷えて収縮する力を利用します。この内部のガスの力で、エンジン内のピストンを動かして発電していきます。

太陽光の熱と、雪の冷たさの温度差が大きいほど大きな力が発生し、多くの電力を発電することが出来るということです。

午前中の日差しを利用して実験が成功。大型の扇風機が動くほどの電力が発電されました。

【電気通信大学大学院 武内知也さん】
「焦点距離がやっぱり50センチ。今回使ってるレンズが50センチなのですけれども、その50センチをヘッドに当てるというのが、かなり大変でして、いかに太陽の熱を与えるかが難しいところです」

【フォルテ 葛西純社長】
「太陽と雪しかないところでエネルギーが生まれたことからいくと、可能性としては無限ですよね」

今後は、スキー場や温泉施設などでも実験を行って事例を積み重ね、実用化を目指します。
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