【工藤記者リポート】
「こちらには、おいしそうなスイーツがたくさん並んでいます。しかし、一番人気のイチゴのショートケーキの姿はありません」
県内外に72店舗を展開する菓子店ラグノオで、一番人気!1日におよそ500個売れるイチゴのショートケーキですが…
【ラグノオささきマーケティング部 細野夕紀マネージャー】
「先週の土曜日から、イチゴのショートケーキはいったん休止という形で」
1日およそ1000粒入荷していたイチゴ。変動はあるものの、現在は10分の1程に。入ってくるイチゴは、事前に注文されたバースデーケーキなどで無くなり、ショートケーキまで回りません。
【ラグノオささきマーケティング部 細野夕紀マネージャー】
「近年は技術も発達して、一年を通していろんな所でイチゴをつくっていただいているので、本当にここ十何年はこういったことはなかったと思います」
現在ショートケーキの上にはシャインマスカットがのっています。
夏から秋にかけてのこの時期、主に業務用で使われているのが「夏秋(かしゅう)イチゴ」。北海道、東北などの涼しい気候を生かして栽培されています。
記録的な猛暑となった2023年、弘前市では、8月10日、最高気温39.3℃を記録。青森県内の観測史上最も高い記録となりました。
その弘前市で夏秋イチゴを栽培するこちらでも…
【いわきとそら農園 齋藤健太さん】
「予想外ですね、想定外です。うーん」
せり上がった葉。これは暑さの影響で水を吸収しない状態です。
【いわきとそら農園 齋藤健太さん】
「低い温度管理を目指して育てなければいけないのですけれども、いま一つこれというのが思い当たらないので、毎日考えています」
暑さに強くないイチゴ。ハウス内や苗の冷却をしてもダメージを受けました。収穫量は前年の半分ほどに減っているそうです。県内だけでなく、北海道や東北でも同じような被害が相次いでいます。
【いわきとそら農園 齋藤健太さん】
(Q.高温による被害に対して)「どうしてもお金が掛かってしまうものに対する補償とか、設備を投資する場合の補助などをしてくれると助かります」
夏秋イチゴを販売する百貨店にも、イチゴは見当たらず・・・
【彩ファーム中三弘前店 三浦弥生子店長】
「できれば店頭に置きたいのですけれども、状態がこういう状態なので、今は全くない状態が続いています」
現在、青森県全体での夏秋イチゴの流通量は前年の半分ほど。小粒のものが多くなっているといいます。こうした状況はいつまで続くのか。そして、ショートケーキにイチゴがのるのはいつになるのでしょうか。
【青森合同青果 工藤善彦常務】
「7月とかよりはまだうまく着果しているみたいなので、この後は今以上には増えてくると思います」
「本当に安定してのるのは、冬イチゴが始まれば」
「あと1カ月から2カ月経てばちゃんとした冬のイチゴが出てきて、ショートケーキの上にも安定してイチゴがのるようになるとは思います」