プロバスケB1で活躍する、青森市出身の津屋一球選手です。7月からB1のサンロッカーズ渋谷に移籍することが発表されました。
青森県出身選手としてただ一人、トップリーグで活躍する津屋選手は、耳が聞こえにくい「難聴」。壁を乗り越え戦うその強さに、服部アナウンサーが迫りました。
津屋一球選手。青森で過ごした小中学生時代から頭角を現し、強豪校、東海大学バスケ部では、キャプテンとしてチームを全国優勝に導きました。その後、大学に在学したままプロデビュー。今シーズンはプロ2年目にして副キャプテンを任されるほど。その活躍の裏で・・・。
【津屋一球選手】
「今、補聴器着けているんですけど」
津屋選手は、耳が聞こえにくい難聴と向き合い、補聴器を着けながらプレーしています。その環境でどのようにプレーしているのか。先週、青森に帰省していた津屋選手に話を聞きました。
【服部アナ】
「津屋選手、青森へおかえりなさい」
【津屋一球選手】
「ただいま」「はははは」
【服部アナ】
「久々にご両親ともお会いできて、喜んでいました?」
【津屋一球選手】
「喜んでいました。おばあちゃんが一番喜んでいました」
およそ1年ぶりに家族とゆっくり過ごせたという津屋選手。難聴とは、子どものころから家族と一緒に向き合ってきました。
【津屋一球選手】
(Q.子どものころ、難聴については)「正直すごく嫌でしたし、親にも、なんで僕だけ?というのは多分言っていたと思うのですけど、今となっては僕の特徴というか、良い意味での一つの武器みたいな感覚で思っているので、今はもうプラスに捉えられていますね」
聴覚障害者がプレーするデフバスケットボールとの出会いなどから、難聴を前向きに考えられるようになったという津屋選手。試合では、掛け声や指示が聞き取れないことも多いそうですが・・・。
【津屋一球選手】
「自分で事前に準備できることもあるので、それでどうにかしたりして、大丈夫でしたね」
事前準備。聴力をカバーする準備とは?
【津屋一球選手】
「チームの映像とかもよく見るようにしていて、例えばセットプレーのコールが聞こえなかったりとかしても、味方の動きを見れば、あ、今これだな、みたいな感じで分かったりもするので、それを何回も見ると、慣れてくるというか」
「相手のセットプレーとかも、覚えた方が、自分がディフェンスで何をしたらよいかというのも、あこれやってきてるからこれだなみたいな感じで動けるので、事前に見るのは大事にしていますね」
事前に「見て」研究を重ねること。それに加えて・・・。
【津屋一球選手】
「毎日の積み重ねというか、チームとのコミュニケーションがすごく大事だなというのは思いますね」
「今、この人はこういうことを言いたいんだろうなとか、そういうのも大体分かってくるので、そういう面でもあまり心配はないですね」
とはいえ、事前に準備してきたことを試合中に発揮するのは、簡単なことではないようです。
【津屋一球選手】
「試合中も、本当はパフォーマンスとかいろいろしたいんですけど、集中しないといけないので、もう次!次!みたいな感じで」
「もう余裕がないというか」
(Q.本当はやりたい?)「そうですね。でも、それどころじゃない」
前向きに努力を続ける津屋選手。来シーズンの活躍にも期待が高まります。
【津屋一球選手】
「今シーズンはけがもあったんですけど、本当に人としてもバスケの選手としてもすごい成長できたので、来シーズンはそのまたさらに倍くらい成長したいなって思っています」
来シーズンは、新たな場所で新たなチームメートとのプレーですから、事前準備により力が入ることと思います。活躍を期待します。