【たなか銘産 田中寿紀社長】
(Q.きっかけは)「行程を追いかけて見ているうちに、この部分は、透明な材料で使えれば、津軽塗の模様が光るんじゃないか、ということを考えたのが最初のきっかけです」
津軽塗の従来の美しさはそのままに、中から光を当てると輝きを放つ、これまで見たことのない商品。
そう、光を通す「透ける津軽塗」なのです。
たなか銘産が運営する弘前市土手町の「津軽塗たなか」。
店内には、昔ながらの伝統的な「津軽塗」がたくさん並ぶ中、中から光を放つ作品「透ける津軽塗」が、12月から飾られています。
中から光を当てると、透き通った部分から明かりが漏れ、これまでと違う津軽塗の輝きを放ちます。漆そのものに透ける素材があり、それを商品化できないかと、10年前から開発を進めてきました。
【たなか銘産 田中寿紀社長】
「普通の今までの商品と違って、最終的な表現の方法が違うので、塗りの厚さとか微妙な微調整はいろいろ必要だったので、その部分では試行錯誤を重ねていました」
「透ける津軽塗」は、伝統的な研ぎの技術を使って、ガラスやアクリルといった素材に模様を浮き上がらせます。
「唐塗(からぬり)」や「紋紗塗(もんしゃぬり)」、といった津軽塗の4つの模様を取り入れました。
創業75年の「たなか銘産」。「時代に合わせ変化させていくことこそ伝統」という思いのもと、これまで数々の新商品を生み出してきました。
【たなか銘産 田中寿紀社長】
「その時のライフスタイルに合わせた商品を作ろうということで、商品を開発して世の中に提供してきたというのが、うちの会社の特徴です」
店内に展示しているフロアライトは見本品で、利用者の求めに応じていろいろな活用ができるということです。
【たなか銘産 田中寿紀社長】
「例えば、壁面に埋め込んで光らせるみたいなこともできるので、店舗とかおうちでも良いですけど、内装に使ったりとかですね、あるいは後ろに光源がなくても自然光でも透けるので、なんか別の物にも使えると思っています」
「お客様に、ようやくお見せできる状態になったので、これからいろんな方に見ていただきたいなというふうに思っています」