2020.08.01(土)

最高の青夏 ―青森の高校野球2020―

written by 藤原祐輝

青森山田の3年ぶりの優勝で幕を閉じた

青森県の夏の高校野球。

今年は夏の甲子園が中止となり、その予選となる県大会もなくなるなど

球児にとってはショックや戸惑いが大きな夏となりました。

それでも、代替大会で熱戦を繰り広げる球児の姿は本当にかっこよく、

多くの人に勇気と感動を与えたと思います。

私は7月14日の大会開幕から様々な球場に行き取材をしてきたので、

その思い出をいくつか紹介したいと思います!

今年は県営球場で試合が!

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新型コロナ対策として、1日に2試合という条件の中で進められた今大会。

例年使用される、4球場に加え、県営球場でも1回戦~3回戦までのが行われました!

春や秋の県大会では県営球場に取材に行くのですが、

夏の大会で取材に行くのは少し新鮮でした!

東青・西北連合の活躍!

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初戦で弘前実業と対戦した、東青・西北連合は

浪岡、松風塾、板柳、金木の4校による連合チーム。

それぞれ異なるユニフォームを着た選手達が試合前に円陣を組む様子に

学校を超えたチームとしてのつながりを感じました!

連合チームといえど侮るなかれ。

先発の佐々木投手(板柳)はこの日は最速136キロを計測!

キャッチャーで3番の田中選手(板柳)はフェンスオーバーのホームランを放つなど、

この夏4強進出の弘前実業を苦しめました。

青森県の高校野球は高校の統合や廃校もあって、

今後どんどん参加校、参加チームは少なくなっていくと思いますが、

大会期間中の高校野球ダイジェストや野球中継などを通して、

少しでも子どもたちに高校野球の面白さや魅力を伝えられれば、と連合チームの活躍を見て改めて思いました!

1回終了7-0!7点差をひっくり返した弘前工業!

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はるか夢での3回戦。

勝てばベスト8進出という、青森 対 弘前工業の試合は波乱でした。

初回、弘前工業は2年生ピッチャーの山口投手が青森打線に捕まり、7失点。

脳裏には「コールド」の文字もふわっとよぎるような展開でしたが、

弘前工業の選手たちは決してあきらめていませんでした。

弘前工業の滝渕監督は2年生山口投手の続投を選択!

2回以降は青森打線を完璧に抑えると、

じわりじわりと点数を返し、9回に同点に!!!

そして延長10回の末、8対7で弘前工業が逆転勝利を収め、ベスト8進出を果たしたのです!

試合後、山口投手は「監督から何も言われないから、そのまま投げ続けた。

まさか最後まで投げるとは思わなかった。10回完投は野球人生で初めて。」とコメント。

劇的勝利を挙げ、準々決勝にコマを進めた弘前工業。

次の試合は5年連続でベスト8進出の弘前東という同地区対決で、

今度はまさかの9回ウラに逆転サヨナラ負け。

最後まで何が起こるかわからない。

弘前工業の二つの試合から、高校野球の面白さと怖さを感じました。

放送席もコロナ対策仕様!

今年のメイン球場は青森市のダイシンベースボールスタジアム(青森市営球場)

私は弘前東vs弘前工業の準々決勝を含む、3試合を実況しました!

放送席はこんな感じ!

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長時間、隣に座ってしゃべりっぱなしの実況・解説、隣のスコアラーさんの間には

アクリルボードが設置されました!

1枚目が八戸工大一OBでキャプテンとして1987年に春夏連続で甲子園に出場経験のある、

三菱製紙八戸クラブの遠藤哉(えんどう・はじめ)さん!

2枚目が八戸工業大学野球部監督で、八戸工大一のコーチ時代に3度の甲子園出場経験のある

笹田公烈(ささだ・こうれつ)さん!

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ちなみに、試合の途中や終わった後のハイライトは

放送席のタブレットに原稿が送られてきます!

タブレットを見ながらハイライトは読んでいます!

いや~、準々決勝以降もいい試合が満載でした!!!

個人的に印象に残っている選手の活躍は

準々決勝で2アウト満塁の大ピンチをスーパーファインプレーで救った、
今大会のラッキーボーイ溝江選手(弘前工)!

プロ注目、MAX150キロ右腕・小牟田投手(青森山田)の直球をとらえて、
2本のヒットを放ったスーパー1年生中田選手(東奥義塾)!

ファインプレー連発!巨人の坂本選手に憧れて名門に進学した
宮城県出身のショート石井選手(光星)!守備めちゃくちゃ上手かった!

強豪私立・聖愛を倒し、20年ぶりのベスト4の原動力となった
2年生のリードオフマン比内選手(弘前実)!

準決勝、兜森監督&三沢商業出身のお父さんの誕生日にバースデーアーチを放った
六戸町出身の新井山選手(青森山田)!なんとこれが高校通算第1号!

その青森山田を2回戦で押さえ込んだサウスポー小野投手(東奥学園)もいいピッチャーでしたし、

サウスポーといえば、指の怪我から復帰した成田投手(弘前東)も準々決勝、準決勝で好投が光ってたなあ・・・・

パソコンを打つ手が止まらなくなってきました!笑

まだまだ紹介したい選手やプレーがるのですが、今回はこの辺で!

1・2年生の活躍も目立ったので、秋の大会でまた見られるのが楽しみですね!

さて、優勝した青森山田は8月9日から宮城県石巻市で開催される東北大会に出場します!

青森山田の皆さん!東北チャンピオン目指して頑張ってください!

青森の球児の皆さん、たくさんの「青夏(あおなつ)プレー」をありがとうございました!!!

来年の夏は甲子園が開催されますように。

アナウンサールーム