八戸市の「大久保えんぶり組」です。この日の練習では、大人と子ども60人ほどが参加。太鼓や笛、かねに合わせてパートごとの動きを入念に確認していきました。
「大久保えんぶり組」で代表を務める大館恒夫さん。練習をいったん、中断させました。これから重大な発表があるようです。
【大久保えんぶり組 大館恒夫代表】
「石川県で大地震(能登半島地震)があったのですが、新潟県でお祭りがあります。その大地震に負けないことでお祭りを続けるということで連絡が入りました。『大久保えんぶり組』がそのお祭りに参加をすることになりました」
「大久保えんぶり組」は、4月に能登半島地震の被災地、新潟県で開催予定の伝統芸術の祭典、「ART MIX JAPAN」にえんぶりを代表して出場します。「大久保えんぶり組」がSNSで発信している活動状況を見た新潟県の祭典関係者から出場を要請されたのです。メンバー全員にとって、大きなサプライズとなりました。
烏帽子をかぶった「太夫」が頭を大きく振る独特の舞、子どもたちが主役となって踊る祝福芸が、被災地に元気を届けることに。
報告を受けたメンバーたちは、厳しい状況に置かれている被災地の現状に思いを強くし、より一層情熱を注いで練習に打ち込んでいるようでした。
【出川優佳さん】
「北陸地方の人たちにも皆に元気を届けるようなやつ(えんぶり)にしたい」
「新潟県の人たちにも八戸の民俗芸能を知ってもらえる良い機会なので、きれいに一つ一つ全力で頑張って舞を踊りたい」
【中村英二さん】
「やはり能登半島地震で被災された方々がいるので、その方々に元気を笑顔を取り戻してもらえるように、一生懸命やっていきたいなと思っております」
「えんぶりをやると春を皆さんに運ぶことができて、これから暖かくなるというお知らせができて気分も晴れやかになって」
およそ800年の歴史がある国の重要無形民俗文化財「八戸えんぶり」。2024年は、被災地の北陸地方にも春を呼び込み、復興を祈ります。
【大久保えんぶり組 大館恒夫代表】
「能登、新潟、それから石川、北陸の地方の方々にぜひとも我々の意気込みを感じて、いち早く復興に頑張っていただければと思います。その一助に我々がお手伝いできればと思っています」
「八戸えんぶり」は17日から20日まで、八戸市内や周辺地域から合わせて34のえんぶり組が参加して開催されます。初日には、見どころの一つ、すべての組が市の中心街で舞う、「一斉摺り」が披露されます。