【弘前大学理工学研究科 石田祐宣准教授】
「一つはエルニーニョ現象があって、エルニーニョの年には、割と日本付近は暖冬になるという傾向があって、その影響があるかと思います」
エルニーニョ現象とは、南米ペルー沖の海面水温が、基準値より0.5℃以上高くなること。今回の記録的な暖冬は、この影響だと言われています。
【弘前大学理工学研究科 石田祐宣准教授】
「12月は、平年並みの気温でした」
「1月がかなり気温が高くて、2℃近く平年より高い」
青森県内の農業や漁業に与える影響は…。
【弘前大学理工学研究科 石田祐宣准教授】
「リンゴの果樹では勝手に葉が出てきてしまったりしますので、花の咲く時期とか葉っぱが出てくる時期が早まる。それにも関わらず、春先は低温になる日もありますので、遅霜の注意が必要かなと」
「漁業に関していうと、日本の周辺の海の温度がかなり高い状態になっていて、黒潮が北上して、三陸沖を暖かくしている状況なので、魚種ですかね、泳いでいる魚種が変わってきてしまう可能性はかなり高い」
夏が暑いと冬は雪が降る、そう感じていた人も多いのではないでしょうか。猛暑だったにも関わらず、暖冬となっている理由は…。
【弘前大学理工学研究科 石田祐宣准教授】
「エルニーニョとは逆のラニーニャという現象があるんですけれど、そういった影響が残ると、夏はかなり暑い状況に」
日本に冷夏・暖冬をもたらすエルニーニョ現象に対し、海面水温が基準値を下回るのがラニーニャ現象。日本は猛暑・厳冬となります。
前年の冬までは、この「ラニーニャ現象」でした。およそ3年間続いたラニーニャ現象の名残によって、2023年の夏は「猛暑」になったということです。これが「夏に暑かったのに冬に雪が降らなかった理由」です。
では、2024年の夏は…。
【弘前大学理工学研究科 石田祐宣准教授】
「秋ぐらいが、エルニーニョが最盛期だったんですけれど、いまエルニーニョの状況がだんだん収まりつつあって、夏場にかけて」
「今度は、逆にラニーニャ側になってしまう可能性は高いです」
「暑くなる可能性は、なくはないです」
猛暑に暖冬と、私たちが経験したことのない気象。青森の気候は今後どう変わっていくのでしょうか。
【弘前大学理工学研究科 石田祐宣准教授】
「去年の夏と今年の冬は極端な方に振れていると思うんですけれど、地球温暖化の影響もありますので、こういった極端な現象が、少し増えてくるという可能性は高いかなと思います」