「八戸市の岸壁ですこちらには小型のイカ釣り船がずら~っと並んでいます。獲りたくても取れないそんな状況に陥っています」
小型船が取るスルメイカはこの時期主に生食用として食卓や飲食店などで人気の食材となっています。近年は、不漁が続いていたものの今シーズンは八戸周辺を中心に漁場が形成され、ここまで豊漁が続いてきました。
しかし、国が決めた全国の漁獲可能量=TACを超えることが見込まれるため、八戸の小型船では20日から漁期途中での自主的な休漁措置が取られていました。
【八戸魚市場 川村嘉朗社長】
「(休漁措置は)非常に残念なことで、小型イカ釣りの場合は刺身鮮魚用として全国に配送されています」「突然TAC(=漁獲可能量)がなくなるということでストップということになると八戸市の経済に対しても大変皆さん困ることになる」
このように話すのは「八戸魚市場」の川村嘉朗社長です。
八戸周辺でのスルメイカ漁は本来であれば今月末にかけてが最盛期ということで、早い時期での増枠を訴えています。
【八戸魚市場 川村嘉朗社長】
「(時期が過ぎると)南の方に(イカが)南下してしまうものですから、さあ取ろうと思った時にはいないという、例年のあれ(事例)があるものですから非常に今すぐ(枠を)欲しいというのが我々の願い」
市民の台所八食センターではスルメイカは店頭に並ぶのみと、休漁措置の影響が出ています。
【客】
「何か新鮮そうだしなかなかこれくらいのはスーパーでは手に入らない」「今(イカが)食べられないじゃないですか手にも入らないし高いし残念です」
丸竹島守商店の島守雅義社長も旬のスルメイカが入荷できない状況に頭を抱えています。
【丸竹島守商店 島守雅義社長】
「漁師が一番歯がゆい思いをしていると思いますけれども、我々小売業者としても非常に残念」「ぜひとも11月にはですね何とか漁期に間に合って解除になってくれれば良いなと期待しております」
国は今月末にも来年3月までの漁獲停止命令を出す予定です。
スルメイカ漁の停止を命じるのは1990年代に漁獲可能枠の制度を導入して以降初めてのこととなります。
【八戸魚市場 川村嘉朗社長】
「今年はこれはもうどうしようもない。いくらか追加なるのかなと期待はありますけれども、来年度は見直しというのもしっかり確約していただきたい」
八戸魚市場の川村嘉朗社長たち八戸市の漁業関係者は29日、国に対して漁獲可能量の増枠や柔軟な運用などを求める要望活動を行う予定です。















