2021.03.08(月)

あの日から10年~答えの出ない決断~

written by 稲葉千秋

3月に入りましたね。

青森も少しずつ、春の足音が近づいてきました。

卒業・送別シーズンで気持ちの浮き沈みも大きい月かと思います。

そんな中でも忘れてはならないのが、東日本大震災。

早いものでもうすぐ10年となります。

スーパーJチャンネルABAでは、きょうから3日連続で、震災関連の特集をお伝えします。

藤原アナ、私、坂本アナの順番で、被災経験のある方にインタビューした模様を放送します。

私は、震災当時、八戸消防署に勤務していた消防隊員・大下武晃さんに話を聞きました。

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八戸市の沿岸で、津波が迫る中、市民の避難誘導を続けた方です。

命の危険を感じながらも、どんな決断をして、どのような行動をとったのか。

私は大下さんの話を聞いて、震災を経験をされた方のお話ほど、心に届くものはないなと感じました。

ぜひ多くの方にご覧いただき、家族などご自分の大切な人と一緒に考えてもらえたらと思います。

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今回担当したアナウンサー3人は、リポーターだけではなく、

アポから取材、構成、編集などディレクターとして全て担当しました。

震災当時、私は高校を卒業したばかりのタイミングで青森市の実家にいました。

激しい揺れと停電は経験しましたが、その後すぐに大学で関西に出てしまい、

青森県内にどれほどの被害があったかを詳細には把握できていませんでした。

それでも、東北のために何かしたいという思いから、

大学時代は復興ボランティアで岩手県大船渡市に2回訪れ、津波の脅威を学びました。

しかし、アナウンサーになってからは、震災に関する直接的な取材には触れていませんでした。

実際に取材してみると、震災というテーマは想像以上に重かったです。

様々な影響を受けている人が多いため、容易には取材ができませんでした。

それを身を持って体感できたこと、そして、貴重な体験を直接お伺いできたことは、

この先報道番組に携わる者として、とても必要な経験だったと感じます。

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そして11日(木)は、八戸市の被災地の一つ・市川地区から生中継でお送りします。

震災から10年で何が変わり、どんな課題を抱えているのか。そして私たちが今できることは何かをお伝えします。

今週は皆さんと一緒に考える一週間にできたら嬉しいです。

アナウンサールーム