10月末、青森県職員や市町村向けに開催された防災DXの体験展示会。会場には、東京の印刷テクノロジー会社TOPPANの防災対策コンテンツが展示されました。
地震や津波、風水害などの自然災害をバーチャルリアリティで疑似体験もできます。
【稲葉千秋アナウンサー】
「自然災害を体験するVR。私も実際に体験してみます」
選んだのは、津波の映像です。
【稲葉千秋アナウンサー】
(ゴーグルをつけて)「怖いですね。大木と共に黒い波が押し寄せてきました。がれきとか木の枝、そして車も来ました。うわっ」
(体験を終えて)「すごくリアルです。津波が見えてからでは、逃げ切れないというのがよく分かりますね。は~、怖かった」
【TOPPANの担当者】
「昨今ですと、例えば3.11の地震を体験されていない世代が増えてきているので、自分事として体験いただくために、そういったコンテンツをご用意しています」
「デジタルの力で、住民の方が自分事として訓練に備えるという、そういった対策が今すごく求められていると思います」
続いては、地図と3D画像が並ぶコーナー。
【稲葉千秋アナウンサー】
「こちらは、津波が起きた時や川が氾濫した時などに、自分の住んでいる地域がどれくらい浸水するかを、マップや3D画像で表示してくれるものです」
スマホやパソコンからアクセスできる津波避難訓練システム。被災状況を360度可視化することで、災害リスクや正しい避難経路などを把握することができます。
青森県は、これらの防災DXを、自治体などでの避難訓練や、学校の防災教育に取り入れるかを検討しています。
【青森県防災危機管理課 山口哲史総括主幹】
「県民の方々の災害への備え、それから我々も防災・災害対応をする中で、対応を円滑にするためにDXを活用していきたいと思っています」
自治体や企業も、防災DXを積極的に取り入れようとしていますね。
一方、災害が発生し、避難した後にも課題があります。避難所などでの衛生環境や悪臭です。1月の能登半島地震では、避難所でこのようなアイテムが活躍しました。高性能空気清浄機「Airdog」です。
販売を行うトゥーコネクトが、合計700台の「Airdog」を被災地に寄付し、372カ所の避難所に設置しました。
避難所では、狭い空間に多くの人が生活するため、衛生面や臭い、感染症対策が課題となっていました。この空気清浄機が解決手段として役立ったということです。
一方で、災害時の混乱に加えて、水や食料などの物資の運搬が優先されたことから、「Airdog」の設置までに2カ月以上かかったといいます。
トゥーコネクトは、空気清浄機を普段から活用することで、災害時の備えにもなると発信しています。
自然災害は、忘れた頃にやってきます。行政の取り組みだけでは限界があります。自分の命を自分で守れるよう、改めて防災対策を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。