リンゴは同じ品種同士では受粉が行われない「自家不和合性」という性質があります。
他の品種との受粉を助けてくれるのがマメコバチ。しかし、去年から個体数が激減。
人工受粉で使用していた中国の花粉もおととしから輸入できなくなっているため、国内で生産された花粉を安定的に確保する必要が出てきました。
【柏木農業高校りんご研究部 鎌田紗羅部長】
「柏木農業高校が何かできることがあれば良いのかなと、先生方と話をしていて」
柏木農業高校が県産業技術センターりんご研究所と連携し、初めて開催したのが「リンゴの花粉講習会」です。
まずは学校内の果樹園にある「紅の夢」と「紅玉」の花を摘みました。ポイントは実になる中心の花を残し、開き切っていない風船状の花を摘むことです。
つづいては「葯落とし」という作業。機械を使い「葯」と呼ばれる雄しべの先端にある花粉が入った袋だけを取り出します。
「(トレイを引き出して)こういう感じで取れてきます」
混ざっている花びらを取り除くため穴の大きさが3ミリのふるいに2回かけ、葯だけを取り出しました。
この葯を恒温機に入れ25度で2日間管理し、花粉を取り出すということです。13日に採取した葯から受粉に使える花粉がどれくらい残ったか確認する「発芽検定」の講習会を夏ごろに予定しています。
【柏木農業高校りんご研究部 鎌田紗羅部長】
「リンゴが実らないで、農業の収益がどんどん下がっていってしまう方向にあるので、そこをちょっとでも解決できるようにしていきたいなと感じています」
りんご研究所によるとより効率的で、大規模に花粉を採取する方法について、研究が進められているということです。