仙台市に本社がある七十七銀行のグループ会社、七十七リサーチ&コンサルティングの試算によりますと、青森ねぶた祭の推計観光消費額は、前の年を1.1パーセント上回る310億円でした。
東北の主な祭りと比べると青森ねぶた祭だけが唯一300億円を超えていて、次いで仙台七夕まつりが200億円となっています。
七十七リサーチ&コンサルティングの田口庸友首席エコノミストは、「青森ねぶた祭の集客力は断トツ」と評価した上で、次のように述べました。
【77R&C 首席エコノミスト 田口庸友さん】
「最近の円安傾向や海外の中間層の所得増加もあって、インバウンドの消費というのは全般的に伸びているのですが、祭りに対しても非常に多くの物を消費したり体験したいといった需要がけん引していると言えると思います」
その一方、長引く物価高の影響で地元客は節約志向が強まっているといいます。
【77R&C 首席エコノミスト 田口庸友さん】
「いってみればお祭りは非日常的な空間から日常的な節約の要素が入ってきて、消費単価が伸び悩んでいるで、すから、にぎわいはあってもお金があまり落ちていない『財布のひもが固い』といったことが傾向としてうかがえると思います」
さらに、物価高で原材料価格が高騰し、祭りのコストが上昇していることや、担い手不足と人件費の上昇も課題になっていると分析しています。