横浜市出身のあべさんは2013年に始まった青森朝日放送の生放送番組「夢はここから生放送ハッピィ」のMCに就任。それ以来毎週青森県を訪れていて、10年以上にわたって県内でも活動の場を広げてきた。
番組を長く続けるうちに、「青森県内でもっと楽しいことができたら」と思うようになったあべさん。3~4年くらい前から県内の温泉を回るようになっていたところ、コロナ禍を経て弘前市の百沢温泉が閉館し、売りに出されていることを聞き、すぐに現場を訪れて購入を決断。所有者に連絡して12月に契約を交わした。
百沢温泉は「津軽富士」とも呼ばれる岩木山のふもと、弘前市岩木地区で50年以上続く歴史ある温泉で、地域の人たちの憩いの場としてもにぎわっていたが、施設の老朽化などの理由で2023年9月に営業を休止し、そのままの形で閉館していた。
あべさんは以前から岩木山神社に縁を感じていたと言い、その近くにある百沢温泉の話を聞いたときは「探し求めたものがそこにあったんだ」と実感。「番組でも定期的に取り上げて、みんなで楽しいことができたら」と意気込む。
温泉を購入したあべさんだが、現在は東京在住で関東が活動の中心であることから、施設の管理ができないことが問題。そこに登場したのが、愛媛県出身で2年前に青森県内に移住してきた芸人のOGA(おが)さん。OGAさんは現在、県内での芸能活動のほかに青森市内の浴場で働いていて、温泉の管理には打ってつけの存在。2024年早々に移り住み、施設の補修など、営業再開にむけて準備に取り掛かる。
会見で「新しい環境で自分にできるか不安」と話すOGAさんに対して、「今回の温泉企画に参加することで、OGAさんにとっても番組にとっても良いはず」と背中を押すあべさん。OGAさんが活躍して、百沢温泉が新たな県民との触れ合いの場になればという思いだ。
あべさんは、将来的には温泉の大広間を活用したり、屋外では車中泊やキャンプができるようにするなど、様々な構想を打ち立てており、まずは核となる温泉施設を改修して、地元の人たちのために2024年春までの再開を目指している。
営業再開までの様子は、青森朝日放送の「夢はここから生放送ハッピィ」(青森ローカルで毎週土曜午前9時35分から放送中)で随時紹介していく。