東北の雄を決める高円宮杯ＪＦＡ Ｕ－１８サッカー プリンスリーグ東北。青森県から出場している青森山田高校セカンドは、セカンドチームの参戦となってからも２０２２年度を含めて３回優勝を果たすなど、他の東北トップチームと互角以上の戦いを繰り広げてきた。
今シーズン、青森山田セカンドの指揮を執るのは、自身も青森山田高校時代にセカンドチームのキャプテンとしてプリンスリーグを戦った経験を持つ、中村祥旗コーチ。チームはここまで１５試合を消化して、１４勝１敗と首位を走っている。
プリンスリーグを戦うセカンドチームは、トップチームが戦うプレミアリーグのメンバーや、怪我人との兼ね合いもあり、試合に出られる選手が常に変わる。さらに下部の青森県リーグ１部を戦う青森山田３ｒｄからの突き上げもあり、青森山田全体の中でもまさに凌ぎを削る「戦いの場」となっている。
「成長した瞬間を試合で見ることができるので、自分も選手たちに還元できるようにしていきたいですし、選手たちの頑張りが報われるように、チャンスをあげたい」という中村コーチの言葉通り、まさにチャンスを掴んだ一人がＭＦ齋藤和祈（３年）。プリンスリーグでチーム最多の５得点を挙げている齋藤は、プレミアリーグでは９月３日の第１２節・旭川実業高校戦で初めてベンチ入りを果たすと、途中出場でいきなり初ゴールを挙げた。
また、青森山田３ｒｄからは、ＤＦ辻浦大生（３年）やＦＷ石川大也（２年）らが台頭し、プリンスリーグで初ゴールを挙げている。ＦＷ山下凱也（３年）は、プレミアリーグのベンチ入りを果たしつつも、まだピッチを踏むことはできていない。「正直焦りはありますが、仲間たちと切磋琢磨しながら上を目指します」と奮起を誓う。そのほか、ＦＷ桑原唯斗など１年生ながらプリンスに起用された選手たちの活躍からも目が離せない。
「メンバーが固定ではないことが、強みになれば。そして、それが選手一人ひとりのモチベーションになってくれたらいいですね。グラウンドから、色々なことを自分の中に吸収して欲しいです。今後も、選手たちもリスペクトしながらやっていきたいです」と中村コーチ。
リーグは残り３試合。２位のモンテディオ山形ユースとは勝点６差だが、今季唯一黒星を喫した相手。９月２３日（土）にホームで行われる直接対決は、勝てば優勝が決まる一戦だ。
第１６節 青森山田セカンドｖｓモンテディオ山形ユース
９月２３日（土）１０時３０分キックオフ ＠青森山田高校グラウンド
取材・文／小野なな（フリー）
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