「現役Jリーガー」も教育実習に現る 青森山田高校を巣立った選手が母校で新たな経験<前編>

「現役Jリーガー」も教育実習に現る 青森山田高校を巣立った選手が母校で新たな経験<前編>
「現役Jリーガー」も教育実習に現る 青森山田高校を巣立った選手が母校で新たな経験<前編>

「現役Jリーガー」も教育実習に現る 青森山田高校を巣立った選手が母校で新たな経験<前編>

「現役Jリーガー」も教育実習に現る 青森山田高校を巣立った選手が母校で新たな経験<前編>

「現役Jリーガー」も教育実習に現る 青森山田高校を巣立った選手が母校で新たな経験<前編>

現在、U-18プレミアリーグで首位に立つ、青森山田高校サッカー部。毎年100人ほどの選手たちがチームを巣立つが、5月は3年前に大学に進学した選手たちが、教育実習で戻って来る時期でもある。2023年は現役Jリーガーとして凱旋した実習生もいて、刺激を受ける現役生も。今回の母校帰還で得たものを実習生たちに聞いた。

◆現役Jリーガー、教育実習に現る!
「サッカー選手は試合に出てなんぼ。地方大学には夢がある!」(得能草生)

2024年シーズン、J2水戸ホーリーホックへの加入内定と、2023年シーズンのJFA・Jリーグ特別指定選手に認定された得能草生。しかも、仙台大学史上最速でのJ内定というおまけつきだ。青森山田高校時代は控え選手だった得能は、いかにしてプロへの切符を勝ちとったのだろうか?

「仙台大学を選んだのは、正木さん(当時はヘッドコーチ。現監督)から薦めてもらったから。自分は身長が小さいんですけど、身長に関係なく試合に絡ませてくれるよと正木さんが言っていたんです。自分は高校では試合にも出ていなかったし、他に行ける大学もなかったので、仙台大学一択でした」

これが、得能の人生を変えることになる。「仙台大学はけっこう自由なスタイル。自分の特徴であるドリブルをどんどん出せる環境だったので、とても合っていました。仙台大学に行って本当に良かったです!」

1年目から試合経験を積み、3年時に出場したインカレでのプレーがスカウトの目に留まったことで、水戸ホーリーホックへの加入内定が決定した。「サッカー選手は、試合に出てなんぼ」と語る得能。とにかく大学で試合に出られたことが、プロ入りを勝ちとれた大きな要因なのだと話す。

加入内定が決定してから教育実習に来るまでの間は、忙しい日々を送っていたという。「みんなからは教育実習に行ってリフレッシュできるね、と言われたんですけど、全然そんなことなくて。きつかったですけど、最後の方は生徒もかわいく見えてきましたね。全員、青森山田の後輩なので!精神的にはリフレッシュできました」

教育実習中は、授業だけではなく講話をする機会もあった。「生徒の前で色々と話したんですけど、それに恥じないように頑張りたいです。みんなに伝えたことで、決意が固まって、俺もやらなきゃいけないという気持ちになれました!」

水戸ホーリーホックでは、高校時代のチームメイトの武田英寿がいる。分からないことだらけのプロの世界に飛び込んだ得能にとって、プロの先輩である武田は心強い存在となっているようだ。2月18日、J2リーグ開幕戦の清水エスパルス戦で途中出場し、J2デビューを飾った得能。母校で過ごした3週間を糧に、さらにパワーアップした姿が見られることであろう。

◆青森山田高校での悔しい想いを胸に―
挫折経験をモチベーションに変えて(山田翔之介)

山田翔之介は、青森山田高校時代は「ずっと3番手のGKでした。何回かベンチ入りはさせてもらえましたけど、プレミアリーグには1試合も出られず、悔しい想いをしました」この悔しい経験から、大学選びで大切にしたことは、「とにかく試合に出られる大学を選ぶ」ということだった。高校時代に指導してくれた大久保隆一郎GKコーチが、名古屋産業大学のGKコーチに就任したことで誘いを受け、名古屋産業大学への入学を決意した。

1年時のけがを経て、2年時にスタメンに定着。そこからずっとゴールマウスを守り続けている。「名古屋産業大学は、東海地方で上位3枠を争っていますが、自分が入学した年に初めて東海1部リーグに昇格した大学なので、発展途上のチームでした。青森山田高校はこれまで築いてきた伝統を維持していくチームでしたが、名古屋産業大学では、新しく0から1を作り上げる感覚でサッカーに取り組めています」

青森山田高校時代は試合に出られなかった挫折経験を「良い方向にモチベーションを変えられたと思っています。そういった意味で、青森山田を選んで良かったのかなと思います」と語る。

「教育実習に来て、教員側や指導者という目線で青森山田を見れたことは、すごく貴重な経験になりました。選手の時は、指導者が言ったことを理解していたつもりでしたが、理解していなかった部分があったと気づいたので、指導者が言っていた深みが伝わってきたなと感じました。この経験を、大学に戻ってからも還元したいですし、この実習期間に学んだことは、卒業後にも役立つことがすごく多かったので、サッカー以外の部分でも多く活かせることがあればと思っています」

卒業後は、サッカーから離れる予定とのこと。目標は「同期でサッカー選手になった人よりも活躍すること」サッカー人生の集大成になるであろうラストイヤーで、更なる飛躍が期待される。

取材・文/小野なな(フリー)

「現役Jリーガー」も教育実習に現る 青森山田高校を巣立った選手が母校で新たな経験<後編>

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