「古いのは40年、40数年」
藤田さんの作品で使われる技法の一つ、蒟醤は、漆を塗り固めた表面を彫ったくぼみに色が付いた漆を埋めて平らに研ぎ出します。
【藤田正堂さん】
「工芸って、漆に限らず、陽というものがあって、美というものがあって、求めてくれた方が少しでも心豊かになるような作品が私の手で作られたらうれしいかなと思っています」
今月上旬に開かれた展示会では、およそ1年かけて作った新作も並びました。
こちらは「水音」。
漆を塗り重ねて彫り込む「彫漆」の技法で凹凸を作り波紋が広がる様子を表現。
周りには「蒟醤」の技法で白い漆を塗り、「蒟醤」と「彫漆」による陰影で水を表現しています。
【藤田正堂さん】
「父親がいなければ、蒟醤と彫漆に触れることもなかったかも分からないです」
藤田さんが作品作りのルーツとなった父清正さんは、旧・県工業試験場で漆に関連する仕事をしていて、自宅では津軽塗の作品を作っていました。
その清正さんの背中を追い、正堂さんは21歳で漆芸の道へ。
そして、清正さんに勧められ、正堂さんは本場、香川県に行くことに。
そこで習得したのが「蒟醤」の技法でした。
【藤田正堂さん】
「人生ってどういう人に出会えたかで決まると思うんですよね。そういう点でいくと、父に促されて、本場の香川県に行きましたが、そこで出会えた方々が素晴らしい方々ばかりで」
「北の四季のうつろい、そういうものは随時今までも作品に取り入れているし、これからもそれは変わることはないと思います。その中で、また、地元で感じられた何かがあれば、それを加味してこれから制作していきたいと思っています」
季節ごとの魅力をどう表現するかを心掛けているといいます。
【藤田正堂さん】
「季節といっても、早朝もあるし、夕暮れもあるし。新緑もきれいだし、紅葉もきれいですよね。嫌だ嫌だといわれてる雪景色もすごく魅力的なところもあるし」
「その時感じたものがすぐに表現できるわけじゃない。たびたび思うような部分というのは、何か気になるところなのかなと思って、そこを少し深めていく」
県内初の人間国宝として、今後の作品については。
【藤田正堂さん】
「来年、再来年、これから何年か後の自分の作品というのは、まだ私も知らないし、楽しみでもあるんですね、自分自身」














