特集は「くらしの経済」です。担当は若松記者です。
若松記者）
テーマはこちら、「野菜の価格動向」についてです。
ここ最近の野菜の傾向を知るキーワードとなるのが「品薄単価高」です。青森合同青果によりますと、夏の記録的な高温に加え、雨があまり降らなかったため、野菜の生育に影響を与えました。
全国１４都市の主要卸売市場の野菜の入荷数量と卸売価格の平均単価の前年比です。品薄単価高がピークとなった、１０月上旬から中旬を見ると、入荷数量が減り、平均単価が上がっているのが分かります。
アナ）
第１週と第２週だと入荷数量の割合は変わらないのに、平均単価が一気に上がっています。
若松記者）
全国的に暑さの影響で野菜が品薄になり、青森のような野菜の産地は県外からの引き合いが強くなったため、総じて高値となりました。
アナ）
夏の暑さの影響が尾を引いている感じですね。
若松記者）
さらに、暑さの影響で例年６月から１０月が時期となる青森や岩手、北海道からの出荷が早く終わりました。
その後関東より西の地域の出荷が出遅れていることから、産地リレーがうまくいかなかったことも要因となっています。
アナ）
消費者としては高値は痛いですが、生産者としては挽回のチャンスなのでは？
若松記者）
２０２３年１年の動向や現状について青果の卸売業者と農協に取材しました。
次々と流れてくるのは、土が付いた立派なダイコン。青森県は作付面積が全国２位、年間出荷量は全国３位を誇っています。
その産地の中心となるのがおいらせ町。２０２３年は雪解けが早く、降水量も適度だったため、夏場までは生育が順調でした。
しかし、７月の雨と彼岸まで続いた暑さが大ダメージに。
【ＪＡ十和田おいらせももいし支店営農経済課 大槻幸男課長】
「病害虫の発生と腐敗、高温障害などによって減収になったというふうな状況であります」
２０２２年は大雨、２０２３年は猛暑。さらに燃料や資材も高騰。現在の高値の取り引きは農家にとって巻き返しのチャンスなのでしょうか。
【ＪＡ十和田おいらせももいし支店営農経済課 大槻幸男課長】
「そういった中で作付けの段階で栽培することについては、農家にとってはまだまだ良いとはいえないと思います」
大きな自然災害がなかった２年前と比べると、２０２３年の収入は８割程度。それでも先月からようやく良くなってきたと大槻さんは話します。
【ＪＡ十和田おいらせももいし支店営農経済課 大槻幸男課長】
「本来の青森県おいらせ町のダイコンが収穫になっております。品質的にもすごく良いです」
「ぜひ食べてもらいたいなと思っています」
多くの野菜が取引される青森中央卸売市場。２、３週間前までは１箱５０００円まで値上がりしたトマトや、これから、鍋料理に活躍するネギやハクサイなども並びます。
【青森合同青果 篠崎真孝社長】
「１１月になって青森県産品はそろそろ終盤ではあるのですが、今のところ入荷は順調です」
青森県産野菜の切り上がりは少し早いものの、例年とほぼ同じくらいの入荷量があるということです。
【青森合同青果 篠崎真孝社長】
「相場のほうも、今徐々に日に日に下がっている状態です。一気に安値にはなりませんけれども、今現在は、平年並みに近付きつつありますので、１１月から１２月にかけては、ほぼ平年並みの価格で店頭に並ぶというふうに思っています」
若松記者）
改めて、全国１４都市の主要卸売市場の野菜の入荷数量と卸売価格の平均単価の前年比を見てみましょう。
アナ）
収量は、前の年と比べると少ないものの、回復していますし、単価も落ち着いてきていますね。
若松記者）
青森合同青果によりますと、全国的な野菜の品薄は解消され、夏から続いていた高値も落ち着いたことから、販売価格も平年並みになっているとのことでした。
アナ）
ＶＴＲでも、秋ダイコンの出来が良いと言っていましたから楽しみですね。
これから鍋の時期で野菜もたくさん使いますから余さずしっかり食べて応援したいですね。
若松記者）
青森合同青果の篠崎社長は、野菜の値段について「高ければ次は下がるし、下がれば高くなるものだ」と話していました。
確かに高値の時は家計のことを考えると苦しい場面もありますが、２０２４年もまたおいしい野菜が食べられるように応援するつもりで購入するのも良いかもしれません。
