教育費予算は、2023年度と比べて8.3%増え、7年ぶりの増額となりました。このうち、30.9億円を「学校教育改革関連経費」として計上しています。県が目指すのは「学びのアップデート」。
では、教育現場はどう変わるのか。まずは、県立高校の現状を見ていきます。
青森高校の数学の授業の様子です。
教師が書き込んでいるのは黒板ではなく、スクリーン。教科書にある図形を映し出し、そこに、ホワイトボードのように書き込むことができます。
【男子生徒】
「こうやって、デジタルを使って視覚的に、より簡単にとらえられるようになるのは、僕たち生徒にとっては、とても大きなこと」
「デジタルの普及は、僕たちにとって利点しかない」
一方、日本史の授業では、タブレット端末を使ってグループ学習をしています。
青森高校では、2022年度からすべての生徒に1人1台ずつタブレット端末が支給されました。話し合った意見をタブレット端末から入力すると…。
【青森高校 太田玲教諭】
「生徒それぞれに配布されているスプレッドシートにどんどん反映されていくので、グループごとに発表しなくても、その場で見られている状況」
これにより、各グループが発表する時間が短縮され、授業時間を効率化できるということです。
【女子生徒】
「タブレットが導入されたことによって、1台でいろいろなことができるようになったので、荷物が軽くなったことが一番大きいですね」
2024年度の新規事業では、デジタル教材を活用し、実戦的なトレーニング学習を行うほか、「教育ダッシュボード」という機能を活用する方針です。
【青森高校 阿部佑教諭】
(Q.教育ダッシュボード)「初めて聞きました、私は」
【青森高校 太田玲教諭】
(Q.教育ダッシュボード)「さっき、調べました」
教育ダッシュボードとは、タブレット端末で、学習した時間と実際の成績や点数との関連をデータで分析し、学習状況を見える化するもの。これが県が目指す「学びのアップデート」です。
教師たちの反応は…。
【青森高校 阿部佑教諭】
「本校でも、ウェブサイトとかアプリとか使ってひもづけとかはしていて、一括でできるのは見やすくていいのかなと思います。あとは、我々が時間の問題ですけれど、しっかり扱えるかですね」
【青森高校 太田玲教諭】
「一つにまとまるのは非常にいいなと思いますね」
「良くなるほうに改善していただけるのは、本当にありがたいことなので、どんどんやっていってほしいなと思う」
変わりゆく教育現場。DXの導入にかかる、教師たちの負担をいかに軽減するかも重要な視点になりそうです。
このほかの主な事業です。教職員の業務を支援するスクールサポートスタッフを県内の全小中学校へ配置することや、部活動の地域移行を進めるため運動部の部活動指導員を42人から倍以上の91人に増やすこと。
公立学校の教育改革を推進するために、環境整備を整える際にかかる費用の一部を補助する事業を始めます。