津軽の掛け替えのない風景の一部でありながら、利用者が減少している津軽鉄道。
厳しい経営状況を乗り切るため、これまで多彩なアイデア商品を売り出してきました。
例えば、1メートル5000円で希望する区間のレール・オーナーになれる権利や、ストーブ列車でくべる石炭をイメージしたクッキーなど…。
【中村かさねアナウンサー】
「存続をかけて、様々な挑戦を続けてきた津軽鉄道。現在は各駅の愛称の命名権を販売しています」
1日から販売されている「副駅名ネーミングライツ」は、全12駅を対象に、その愛称を命名することができます。
最低希望価格は、津軽五所川原駅は150万円、金木駅と津軽中里駅は130万円、津軽飯詰駅と嘉瀬駅、芦野公園駅は50万円、その他の駅は30万円です。
発売から6日。申し込み状況は…。
【津軽鉄道 白鳥泰総務課長】
「県内外の団体から3件の申し込みや相談をいただいております」
「とても良い滑り出しだと思います」
愛称は、親しみやすいものが好ましいとのこと。企業や団体、個人でも応募可能です。
もし、皆さんが名前をつけるなら、どの駅にしますか。観光客は―。
【観光客】
「金木に、太宰治のあれ(斜陽館)があるじゃないですか」
「文豪への道駅とか」
【中村かさねアナウンサー】
「素敵ですね、すごい」
津軽鉄道で働く人たちは―。
【津軽五所川原運転室 長利謙二運転係】
(Q.付けたい名前ってありますか)「付けたい名前は、津軽飯詰駅かな。津軽飯詰駅については、吹雪ですね」
【中村かさねアナウンサー】
「吹雪!」
【津軽五所川原運転室 長利謙二運転係】
「隣の駅が晴れていても、飯詰駅はふぶいていますからね」
【津軽半島観光アテンダント 坂本清雪さん】
「深郷田(ふこうだ)駅もあるんですけど、ネーミングはちょっと響き悪いかもしれませんが、5500万年前の遺跡も見つかっていたりとか」
「あ、『実は幸せな駅、深郷田(ふこうだ)駅』、そういう感じでどうでしょうか」
【津軽五所川原運転室 長利謙二運転係】
「あ、これ、いただきだ」
2025年、開業95周年を迎える中、澤田長二郎社長も、この企画に強い思いを持っています。
【津軽鉄道 澤田長二郎社長】
「できれば、100年まではいきたいなという感じがあって、なんとか苦労しながらでも生きていきたいと」
様々なアイデア商品を売り出してきた津軽鉄道ですが、最後まで「売らない」と決めているものがあります。それは…。
【津軽鉄道 澤田社長】
「誇り」
「守ってきた誇りというかね。それは失いたくないし、キープしたいなと。これは、現場一同、皆そうだと信じています」
募集期間は3月末まで。愛称が決定した場合、早ければ4月中にも、愛称と命名者の名前が書かれた看板をホームに設置します。
デザインは、津軽飯詰駅のホームにあるような、昔ながらの木製になるそうです。