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2024年のイチゴにかける生産者の思い

2024.05.06(月) 18:45

弘前市の農園ではジューシーなイチゴの収穫が最盛期を迎えています。2024年のイチゴに懸ける生産者の思いを取材しました。

弘前市にあるイチゴ農園、「いわきとそら農園」。こちらのイチゴは今まさに旬を迎えています。

【寺崎美佑アナ】
「失礼します、もう入った瞬間からイチゴの甘い香りが広がっています。イチゴ農家の齋藤さんです。一粒いただいても良いですか?」

【齋藤さん】
「はい」

【寺崎アナ】
「真っ赤できれいなイチゴです、いただきます!」
(食べて)「甘いです!甘い!少し酸味もあってとってもおいしいです。果汁がたっぷりですね!」

フレッシュな果肉とあふれる果汁!その名もオリジナルブランド、「立夏ジューシー」。育てるのに手間が掛かり、市場にめったに出回らない、希少なイチゴなんです。

【いわきとそら農園 齋藤健太さん】
「一般的なイチゴは定植してから3カ月で収穫を迎えます。そして収穫が7カ月間採れるのですが、このイチゴは真逆で、定植してから7カ月間育てなければいけません。その後、収穫が3カ月と大変短いので大変貴重となっております」

「かなりデメリットですね。その間イチゴはなっていないのですが、さらに管理はしなければいけない」

それでも育てる理由は、シンプルでした。

【いわきとそら農園 齋藤健太さん】
「けど、この味が私は好きなので、このイチゴを育てています」

弘前市では2023年8月に最高気温39.3℃を記録。青森県内の観測史上で最も高い気温となるなど、記録的な猛暑となりました。

その影響はこちらでも・・・

【工藤記者リポート】
「こちらには、おいしそうなスイーツがたくさん並んでいます。しかし、一番人気のイチゴのショートケーキの姿はありません」

2023年は、いわきとそら農園でもこういったケーキなどに使われる夏秋イチゴを栽培していましたが・・・

【いわきとそら農園 齋藤健太さん】※2023年9月
「予想外ですね、想定外です。うーん」

せり上がった葉。これは暑さの影響で水を吸収しない状態です。

【いわきとそら農園 齋藤健太さん】
「低い温度管理を目指して育てなければいけないのですけれども、いま一つこれというのが思い当たらないので毎日考えています」

暑さに強くないイチゴ。受粉できないため、花が実にならないなど、高温による影響を受け、収穫量は4割程減りました。

【いわきとそら農園 齋藤健太さん】
「去年の高温障害で被害を被ったハウスになります」
「(ハウスの)横の方を上げて、できるだけ涼しくすることと、上に遮光カーテンがあるのですけれども、遮光カーテンで日光を防ぎます」

風が良く吹く立地で栽培していたものの、2023年の暑さは想定を上回り、2024年はさらなる策を講じます。

【いわきとそら農園 齋藤健太さん】
「クラウン冷却です。こちらの白い筒の中に地下水を通して。クラウンというのはこのイチゴの大事な部分」

クラウンはイチゴの茎に当たる部分で、葉や花の成長点ともいわれています。

【いわきとそら農園 齋藤健太さん】
「ここに、この地下水を通した筒を当てます」
「これで高温を乗り切ろうと思っています」

およそ11℃から12℃の地下水が、クラウンを直接冷やします。

2024年の夏秋イチゴの収穫はいよいよ6月から始まります。

【いわきとそら農園 齋藤健太さん】
「高温障害でかなり気持ち的にも落ち込んだ部分はあったのですけれども、長い冬を乗り越えて、立派にこのイチゴが育ってくれたので、今年は頑張りたいです」

この「立夏ジューシー」は、弘前市内のさくら野弘前店や弘前中三など、一部で取り扱っているということです。
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