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青森県内11市町村に避難指示 太平洋沿岸に津波警報 八戸港で50cm

2025.07.30(水) 17:15

青森県内の太平洋沿岸に津波警報が、陸奥湾と日本海沿岸に津波注意報が出ています。

【警察官】
「下歩いている方、今、津波来るから上がって!」
「下にいる方!津波来るから上がって!津波間もなく来るから上がってください」

【無線放送】
「避難指示発令、津波警報が発表されました」

30日午前、カムチャツカ半島付近でマグニチュード8.7を観測する強い地震があり、県内の太平洋沿岸にも津波警報が。

沖合に向かって次々と出航する船。

高台にある駐車場には、入りきらない車。

八戸市の舘鼻公園には、多くの人が避難してきました。

【避難してきた人】
「会社がここの近くだったので、津波が来るとなったらやっぱりドキドキしました」

「東日本大震災の時は、八戸にまだいなかったので、様子分からなかったのですけども、避難指示がきたので、登ってきました」

八戸港では、午前11時16分に40センチの津波を観測し、午後1時47分にはさらに上昇し50センチの津波が観測されました。

【坂本佳子記者】
「午後1時半、新井田川の河口付近をとらえています。1時間ほど前の干潮時刻と比べますと、直近で潮位がグッと上がったように感じます。また川の流れも、海側から内陸方面へと流れているようにも感じます」

1時間前の午後0時半ごろと比べると、津波の影響なのか、確かに潮位が上がっているように見えます。

【無線放送】
「津波警報が発表されました」

【住民】
「怖いな」

【無線放送】
「海岸付近の方は高台に避難してください」

海抜10.9メートル、高台にある指定避難所、むつ市の関根浜漁民研修センターには警報が発表されると次々と避難してくる人の姿。

2011年の東日本大震災の時にも住民たちが避難した場所です。

【近所の人】
「津波1メートルってどの程度で来るかね」

「東日本の時には、この辺りに(津波が)3メートルくらい来た」

「早く(警報から)注意報になればいいけど」

むつ市関根浜では、午後1時45分と午後3時8分に30センチの津波を観測しました。

青森県庁では、午前11時前に対策本部会議が開かれました。

【宮下知事】
「自分だけは大丈夫と思わずに、警報が解除されるまでは、確実に避難行動をとっていただきたいと考えています」

県内では、太平洋沿岸を中心に11市町村に避難指示が出されました。

【藤原祐輝アナウンサー】
「正午前の三沢市国際交流スポーツセンターです、市民たちが避難に集まっています、そして体育館を出ますと、こちらキッズルームがあるんですが、浸水区域に入っている保育園からも園児が避難しています」

こちらには、近くの保育園に通う0歳から5歳までの園児が避難。揺れを感じた園長が早めに避難を決断しました。

【チャリティー第一保育園 黒沢のぞみ園長】
「注意報の段階で避難準備をして、10時にはここに到着したという形になります」
「いざやっぱり来てみると、『あ~、布団が足りないな」とか、子どもたちが同じ場所に居続けることは大変なことだなと」
「でも、避難所に来ることは私たちにとってすごく安心、子どもたちだけ見ていれば良いので、だから来て良かったです」

三沢市立第二中学校では、部活動で校内にいた生徒たちが体育館に避難していました。

避難する人の中には、三沢市漁協の熊野稔組合長の姿も。

【三沢市漁業協同組合 熊野稔組合長】
「イカ漁が最盛期でほとんど沖合に出ていましたので、そのまま待機してもらえるようにと、状況を連絡して待機している状況です」
「夕方までにね解除にならないと、食べ物も皆さんお昼しか持っていってないですからね」

陸奥湾と日本海沿岸にも津波注意報が出されました。

陸奥湾に面した県観光物産館アスパム。その海手側には、祭り開幕に向け完成したばかりの大型ねぶたを収めたねぶた小屋が並びます。

【澤田愛美アナウンサー】
「陸奥湾に津波注意報が出たことを受けて、青森市のアスパムでは1階にいたお客さんを2階へと誘導しました」

午前11時すぎに退避措置を解除しましたが、その後も館内放送で海岸に近付かないよう呼び掛けました。

【青森駅のアナウンス】
「カムチャツカ半島付近の巨大地震の影響により、現在青森駅発着の全ての列車で運転を見合わせております」

交通機関にも影響が出ています。

JR奥羽線は、弘前駅・青森駅間の上下線で一部運休、青森駅・新青森駅間の上下線で運転を見合わせています。

JR八戸線・津軽線・大湊線でも運転を見合わせています。

青い森鉄道は、青森駅・八戸駅間の上下線で運転を見合わせています。

観光客なども多く訪れる夏休みの期間、JR青森駅の改札前では運転見合わせを知らせるボードの写真を撮影したり、別の交通手段を探す人々の姿がみられました。

【東京から】
「東京から来て、これから弘前に行きたいですが、電車止まっちゃってるんですよね。あぁ、どうしようというところ」
「リゾートしらかみに乗ったり、(弘前に)泊まったりという予定でした」

「どれくらい涼しいのか、セミの鳴き声は東京とどう違うのか知りたかった」

海の便にも影響が出ています。

津軽海峡フェリーは、すべての航路で運航を見合わせています。

青函フェリーは、青森と函館をそれぞれ出発した2便が着岸を見合わせ、ほか2便が運航を見合わせています。

シルバーフェリーは、午後1時八戸発の便以降すべての便で欠航しています。

八戸港の近くにある館鼻公園には坂本佳子記者がいます。中継で伝えてもらいます。

【坂本佳子記者】
はい。標高51メートルの高さにある舘鼻公園です。眼下に見えるのが新田川の河口付近、八戸港に通じています。そして奥に見えるのが八戸港です。

午前11時すぎに第1波を観測した後、潮位が上がったり下がったりを繰り返しています。

先ほどまで一旦下がった潮位なのですが、15分ほど前からグググッと上がってきまして、つい5分ほど前、奥に見える岩壁の境目となっている路面が少しずつぬれてきたようにも見えます。

そして、つい先ほどから再び潮位が下がっています。激しく潮位が上がったり下がったりというのを繰り返している状況です。

昼前にこちらに避難してきた人に話を聞くことができました。最初、津波注意報が出ていることに気づかず、蕪島に海水浴に来て警察官に引き止められ、水着とTシャツのまま避難をしているという人もいました。

この時間、日陰ではいくぶん過ごしやすいのですが、日の当たる場所では暑く感じます。この後 避難をする方は、暑さ対策もしっかりとしてください。

30日はこの後、八戸港では午後6時40分に満潮時刻を迎えます。満潮時刻と津波の到達時刻が重なりますと、高さがさらに増す恐れがあります。この後も警戒が必要です。

八戸市の舘鼻公園からお伝えしました。

お伝えしています通り、カムチャツカ半島付近を震源とする地震の影響で、青森県内の太平洋沿岸に津波警報が、また陸奥湾と日本海沿岸に津波注意報が出ています。警報や注意報が解除されるまで、海岸や河口付近には近づかないようにしてください。

沿岸の自治体では避難情報も出ています。情報に注意しつつ、暗くなる前の早めの避難を心がけてください。
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