7日夕方、浜町埠頭には、ねぶた関係者たちが勢ぞろい。
海上運行に推薦されたのは、2025年で57回目の出陣となるマルハニチロ佞武多会。海上運行は13年ぶり4回目です。
正午まで大雨警報が出ていたため、ねぶたにはビニールが掛けられていました。
【ねぶた師 手塚茂樹さん】
「初めて見る光景です」
マルハニチロ佞武多会のねぶたを手掛ける手塚茂樹さん。デビューから10作目のねぶたで、初乗船です。
【ねぶた師 野村昂史さん】
「見送りに来たんですよ」
【ねぶた師 手塚茂樹さん】
「ありがとうございます」
第7代ねぶた名人・竹浪比呂央さんのもとで、ともに切磋琢磨してきた弟弟子の野村昂史さんは、2025年、プロクレアねぶた実行プロジェクトで優秀制作者賞を受賞。
海上運行には出ませんが、ねぶたの家ワ・ラッセへの展示が決まっています。
一方、手塚さんは、まだ受賞歴がありません。
【マルハニチロ佞武多会 若井由治会長】
「今回のねぶたは、賞を取って乗るわけではないですが、私は賞を取ったねぶたと比較しても決して負けるわけではないと」
社名の変更により、マルハニチロ佞武多会としては、最後の海上運行となります。
午後6時すぎ、いざ出陣です。
【稲葉千秋アナウンサー】
「青森開港400年を記念するねぶたが、今出航しました。青森港を華やかに彩っています」
マルハニチロ佞武多会、囃子方「海鳴(うみなり)」の力強い音色が響き渡ります。
船の上でも舞うハネト。
船の上でも動くねぶた。
1台の船から最大限に、ねぶた祭を伝えます。
そして、メイン会場へ。
「ラッセーラーラッセ―ラー、あ~ラッセーラッセーラッセーラ」
【稲葉千秋アナウンサー】
「この美しい青森市の夜景を眺めながら、皆さんが広い海の上でねぶた囃子を奏でている。そして多くの方がねぶたに向かって手を振っている。何とも特別感のある景色です。この景色を見たくて、皆さん1年間頑張っているのだなというのがよく分かりました」
ねぶた師の手塚さんは、この景色を目に焼き付けていました。
【ねぶた師 手塚茂樹さん】
「もう感無量ですね」
「チャンスに恵まれなくて、コロナとかもあって、途中いろいろくじけそうな時もあったんですけど、自分のねぶたがこうやって海に浮かんで、こういう風景を見られたというのは、本当に続けてきて良かったなと思う」
そして、新たな決意も。
【ねぶた師 手塚茂樹さん】
「今回は海上運行賞ということですけど、別な気持ちでまたこの風景を見に来たいと思います」
「やっぱり、最優秀制作者賞を取って、この船に乗るというのが目標です」
青森の暑くて短い夏。大輪の花を咲かせ、幕を閉じました。
皆さん弾けるような笑顔で、それぞれの役割を果たしていて、その姿がとてもかっこよく、まぶしく見えました。また来年に向けた挑戦を楽しみにしています。