「いや」
「今行かない方が良い。今クマ出たばかりだから」
「いやいやいや!行かない方が良い。けがしてますんで顔とか、やられて。そっちに行く用ないんだったら回り道行った方が良い」
進もうとする自転車の男性を制止する警察官。この道の先でクリ拾い中の男性がクマに襲われました。
むつ市によりますと、1日午前10時半すぎ、むつ市川内町の農道の近くで、クリ拾いをしていた82歳の男性が子グマ2頭と遭遇しました。
このうちの1頭に襲われ、顔や鼻付近などを引っ掛かれるけがをしました。男性は自力で逃げ、近くのホテルに助けを求めました。
ホテルの関係者によりますと、男性は鼻の右側辺りから出血していて、「クマに襲われたので、通報をお願いしたい」と話したということです。
男性はその後、診療所を受診しましたが命に別状はないということです。
【付近の人】
「この辺はクマの通り道で山から来てるみたい。今年は食い物がないから」
「今年は特別だ」
「山に食い物が何もない。ブナ、ドングリ、山ブドウもないし何も食い物がない」
「しょっちゅう出てますよ。海の方まで来てるからね」「一人では出歩かないようにしています」
むつ市によりますと、2025年のクマの捕獲頭数は9月30日時点で108頭。2024年と比べ27倍に上っています。
また、目撃件数も2024年の8倍以上となる665件となっています。
【むつ市 山本知也市長】
「山では秋の味覚を楽しめる季節となっているが、市民の皆さまにはどうか今年だけはご自身の命と安全を最優先に、栗の木や山の中に極力近付かないように、強くお願いいたします」
市は公式ラインなどに加え、9月29日からは防災無線でも目撃情報などの発信を始めています。さらに、センサー式カメラの導入による効率的な見回り体制の構築を図るとしています。
※2025年の県内のクマによる人的被害はこれで5件目となりました。出掛ける際は改めてクマの出没情報などを確認するようにしましょう。