【赤平春菜記者】
入廷してから傍聴席を何度も見渡し落ち着かない様子がみてとれました。証言台の前で深く1礼したあと、前のイスの背もたれに手を置き、時々ひざを曲げ伸ばししながら、やはり落ち着かない様子で判決の内容を受け止めていました。
【キャスター】
改めて裁判の争点などを振り返りましょう。
【赤平春菜記者】
9月に開かれた初公判で、石山隆被告は起訴内容を認めていて、争点は刑の程度を決める量刑となりました。検察側は懲役1年6カ月弁護側は執行猶予の付いた判決を求めていました。
【キャスター】
殺人を隠ぺいした動機についてはどのようなことが明らかになったのでしょうか。
【赤平春菜記者】
隆被告は弟で主治医の哲被告から殺害された男性の死因について「白血球の数値が高いから肺炎でいけるんじゃない」などと持ちかけられ「病院を守りたい」「悪い評判は作りたくない」という考えがあったと主張していました。
【キャスター】
「病院を守りたい」と発言していたんですね。
【赤平春菜記者】
病院を守りたかったとうい発言はこの裁判の中でも繰り返し述べています。一方で、検察側と弁護側の主張はこうです。
検察側は院長の立場を利用して死因を「肺炎」とする死亡診断書の作成を指示し、主な役割を担ったのは隆被告だと主張しました。
対して弁護側は被害者が死亡すると思っておらず混乱し病院を守りたいと哲被告の提案にのったと釈明していました。
きょうの判決公判で、裁判所は「医療への信頼を大きく揺るがすもので社会的な影響も看過できない」と厳しく指摘し、執行猶予3年のついた懲役1年6カ月を言い渡しました。
【キャスター】
執行猶予が付きましたね
【赤平春菜記者】
今後、病院の運営に関与しないことやくむべき事情もあると「執行は猶予するのが相当」とされました。
【キャスター】
弟の哲被告の裁判はどうなるのでしょうか。
【赤平春菜記者】
哲被告の裁判は時期は未定で、警察の捜査段階では容疑を否認していました。殺害された男性の死因を肺炎とする提案を持ちかけたと認めるのかどうか、注目です。
【キャスター】
県は9月病院を運営する医療法人に対して、医療法に基づく改善措置命令を出して、再発防止策を講じるよう求めています。みちのく記念病院は、今後、地域の病院として再び信頼を回復することはできるのでしょうか。
ここまで赤平記者とお伝えしました。















