宿泊税は、観光振興の財源を安定的に確保するため、自治体がホテルや旅館などに泊まった人に課税する地方税で、東京都や大阪府、京都市など15の自治体ですでに導入しています。
弘前市が徴収する税額は1人1泊当たり一律200円。税金の徴収を代行する宿泊業者は、導入に向け、準備を進めていますが、その思いはさまざまです。
弘前さくらまつりやねぷたまつりなど多くの観光資源を誇る弘前市。たくさんの観光客が訪れ、年間60万人の宿泊客を受け入れています。その街で県内初となる宿泊税が来月1日に導入されます。
弘前東栄ホテルでは、市が作成したポスターやデジタル広告を館内に表示して、宿泊税の導入について周知を図っています。
【弘前東栄ホテル 木村知紀専務】
「最初は不安があったんですけども会議を重ねていくごとにどっちかと言えば期待の方がちょっと強くなったような印象でした」
新たな料金徴収に伴い、市の補助金を使ってシステムを改良したり従業員がスムーズに対応できるようマニュアルを作ったりしました。
【弘前東栄ホテル 木村知紀専務】
「観光からの街の活性化をにらみながら宿泊業界だけが良くなるんじゃなくてそれに関わる飲食業とかいろんな地域が活性化してくるための施策に使われれば良いなと思っています」
一方、手頃な料金のカプセルホテルを運営する会社は宿泊税の導入に理解を示しつつも、一律200円になったことについては残念に思っています。
【朝日会館 橘内悠佑常務】
「一律200円というところが安価でやっているカプセルホテル、弊社カプセルホテルなのでお客さんの税率の負担で考えると約10%近い負担になってしまうのでそこで顧客離れが不安な材料かなと思っております」
最も安い利用料金は3500円。温泉施設もあるため、入湯税150円がかかります。宿泊税200円を合わせると350円になり、客が負担に感じるのではと心配しているのです。柔軟な見直しを求めていますが、弘前市は5年ごとの見直しと定めています。
【朝日会館 橘内悠佑常務】
「宿泊税を次の見直しが5年というのがあまりにも長いんじゃないかなと、もうちょっと1年とか短いスパンでの見直しをして良い税制度にしていってもらいたいというのが我々の思いというかあるんですけど」
弘前市はこのような声を把握しつつ、より理解の得られる運用に努める考えです。
【弘前市観光部 白戸麻紀子部長】
「貴重な宿泊税を活用して観光資源の魅力の強化観光客の受け入れ環境の整備促進、それから国内外への情報発信に努めて、旅行者の満足度を向上させてまた訪れたいと思えるような観光都市弘前を目指して取り組んでまいりますので、何とぞご理解の方よろしくお願いいたします」
弘前市は宿泊税による税収を年間1億2千万円と見込んでいます。これがどのように使われるのか目に見える形で運用していくことも大事だと思います。















