特集は「くらしの経済」です。担当は若松記者です。
若松記者）
テーマは「地元スーパー」です。今回は、青森県内で４２店舗を展開するマエダを取材しました。
アナ）
マエダというと、５月にガーラモール店が閉店したニュースが印象的でした。
アナ）
その一方で、９月には青森朝日放送本社の近くに、問屋町店がオープンしたニュースもありましたね。
若松記者）
マエダの店舗の売り場面積のグラフです。５月に閉店したガーラモール店は大型店、９月にオープンした問屋町店は、小型店になります。
アナ）
小型店が、半数以上を占めていますね。
若松記者）
さらに、超小型店が３店舗あるのですが、このうちの２店舗は、２０２３年にオープンしたものです。
アナ）
規模の小さい店舗に力を入れているのでしょうか。
若松記者）
なぜ、小規模の店舗に力を入れているのか。そこには地方が抱える課題に寄り添うための工夫がありました。
【マエダ 前田大志専務】
「『地域密着』というのが、一つのキーワードになってくるのですけれど」
そう話すのは、マエダの前田大志専務。地域ごとの購買ニーズに応えたいという思いから、２０１２年ごろから、売り場面積３００坪程度の小型店に力を入れていて、およそ１０年で１２店舗と、県内各地に出店を進めています。
【マエダ 前田大志専務】
「そこの街の大きさに合わせて、お店のサイズを見直していった結果が、今の比較的コンパクトな店舗になっていて、それがうちが多数出店できる力にもなっているのですけれど」
そのような戦略の中、９月にオープンしたのが、青森市のマエダ問屋町店。市の中心部よりも人口が少ない地域で、３００坪とコンパクトながら、生活に必要なものがほとんどそろう店舗としました。
【マエダ 前田大志専務】
「高齢化も進んでいるので、長く運転して、大きな遠くの店に行くよりは、近くのお店があったほうがやっぱり便利なので、小さな街でもお客様がいる所に出店できるように、それに合わせて、小さなサイズの店を出していくというスタイルを取っています」
人口減少、少子高齢化などを背景とした交通網の弱体化といった理由から、日常の買い物が十分にできない状況にある「買物弱者」の増加が、地方の課題となっている中、マエダが新たに展開している形が「プチマート」です。
店には、「ミニマエダストア」の文字が…。
【プチマート二川目店 長岡智リーダー】
「マエダストアよりも規模の小さい、大体３分の２程度の店舗で、生活に最低限必要な品ぞろえをしております」
ラインナップが極端に少ないわけではなく、マエダストアをまるごと小さくしたような店舗。
この地域には、これまで徒歩で行けるようなスーパーはなく、三沢市やおいらせ町のショッピングセンターやスーパーへ車で行く人も。
【利用者】
「天気の悪い時は、あまり運転したくないから、近く（のスーパー）で。たぶん冬になれば、こっちに余計来ると思う」
（Ｑ．品ぞろえは）「十分だと思う。だってそんなに大家族でもないし、１人でいればさ、あまり買っても」
昼休みの時間帯には、近くで働く人の姿も見られました。
【利用者】
（Ｑ．これまでは）「（旧）百石町の方に、ちょっと遠いのですけれど、そっちまで買いに行っていたのですけれども、（職場の）近くにできたから来ました」
「（移動時間が短くなって）その分、休めます」
マエダストアよりも、少子高齢化が進む狭いエリアをターゲットにしているプチマート。
購買者が先細りする将来は、他のエリアよりも、より近くに迫っています。不安や懸念はないのでしょうか。
【マエダ 前田大志専務】
「ないことはないのですけれど、今は不安よりも、お客様が地域で感じている不便とかっていうことを解消するというか、うちが出て（出店して）役に立てるのだったら、そっちの要望のほうが強いなと思います」
アナ）
ガーラモール店がなくなってしまった分、青森市内にも、新しい店舗ができるかもしれないのでしょうか。
若松記者）
小型店が今後増えるかもしれない、ということでした。
超小型店のプチマートは、直近で決まっている新店舗の予定としては、２０２４年の春に横浜町にオープンするそうです。
アナ）
これから地方では、買い物弱者の課題は大きくなっていくと思います。
若松記者）
生活により近い業態だからこそ、地方のスーパーは、より細かいニーズへの工夫と対応が求められるようになってくるのかもしれません。
