県内の消防本部で構成された部隊は、2月26日から3月7日までに、3回にわたり、のべ100部隊 348人が消火や警戒活動にあたりました。
青森県内で同じようなリスクはあるのでしょうか。現地で消火活動の指揮をとった大隊長や専門家に聞きました。
激しく燃える炎に、立ち込める煙。その中には、ホースを持った消防隊員の姿が。
青森県から派遣された「緊急消防援助隊」は、岩手県大船渡市赤崎町や、三陸町で活動。
3月1日から4日まで現場で指揮をとった、八木橋充第2大隊長に話を聞きました。
【緊急消防援助隊青森第2大隊 八木橋充大隊長】
「慣れない地域での活動、そして極寒の中の夜間の作業というのは非常に危険を伴う中、これを継続したことが大変だったと思っております」
「なかなかこういう経験は青森県内でも少ないというか、ないと思いますね」
東日本大震災の復興の最中に起きた林野火災。およそ2900ヘクタールが焼失し、1人が死亡、建物は78棟が被害を受けました。
【緊急消防援助隊青森第2大隊 八木橋充大隊長】
「北東の風が主に吹いていたのですが、途中から北とか東に変わって、風が回っている状態だった」
発生原因は人為的なものと考えられていますが、なぜここまで延焼が広がったのでしょうか。救急救命の専門家に聞きました。
【弘前医療福祉大学救急救命学科 立岡伸章教授】
「まず気象条件。乾燥注意報が出ていたり強風だったり、こういったことが一つの要因であります」
「大船渡はリアス式海岸で山が急傾斜なんですね。傾斜がすごいと上に火が燃え広がってしまう」
「消防職員もいろんな場所で消火活動をしていて分散されてしまう。そのことによって火が拡大した可能性もあるかと思います」
立岡教授は、県内でも同じようなリスクがあると話します。
【弘前医療福祉大学救急救命学科 立岡伸章教授】
「青森県の県全土を考えますと、森林が約66%と言われています」
「今の時期、雪がある分には良いのですが、これが解けますとやはり同じような状況が、今後3月4月になってくると生まれてきて、同じように山火事が発生する可能性は高まります」
県によりますと、例年、雪解けが進む4月から5月にかけて、山火事が多く発生しています。2024年は21件の山火事が発生し、4月と5月には防災ヘリが出動しました。山火事を防ぐために私たちにできることは。
【緊急消防援助隊青森第2大隊 八木橋充大隊長】
「これから空気が乾燥する気象状況が続くことになると考えられますので、たき火とか火入れ・たばこ、火の取り扱いには十分注意していただきたいと思います」
【弘前医療福祉大学救急救命学科 立岡伸章教授】
「キャンプを楽しんだら、しっかり火の後始末をする、防火意識を高める、これが一番じゃないかと思います」