検討会には、市の鳥獣被害対策協議会や猟友会の会員などおよそ20人が参加しました。黒石市では2024年度、3件の食害が発生。市街地を含む3件でニホンジカの目撃情報も寄せられ、例年と比べて多くなっています。
1月には花巻地区の農園で、リンゴの木の樹皮が食いちぎられる被害が確認されました。3月8日から21日朝にかけては、長坂地区の園地でも確認されるなど、被害が拡大しています。樹皮がなくなると木が枯れてしまうため、2025年度のリンゴの収穫が見込めない状況です。
長坂地区の生産者は、刻々と被害の範囲が広がる状況に危機感を訴えます。
【長坂地区の生産者 成田勝さん】
「あれほど上手に皮を食べられるのはちょっとびっくりしました」
(Q.ニホンジカの被害)「私の園地では初めてです」
(Q.収穫の見込み)「現状は多分ほぼ無理なんじゃないかなと思っています」
検討会では、対策として、現在市内に設置されている20基の「くくりわな」をさらに増やすべきか、意見を求めました。
出席者からは、「くくりわな」よりも、複数のシカを一度に捕獲できる「囲いわな」が有効ではないかといった意見が出ました。
市は、今回出た意見を踏まえ、今後の対策を検討します。
【黒石市鳥獣被害対策協議会 佐藤久貴会長】
「これから雪解けが進むにつれて猟友会の皆さんも活動しますので、まず共通認識を持って」
「やっぱり早めの対応ということが必要だなと」
これまでは年に1件くらいしか目撃されていなかったそうで、目撃と被害合わせて6件というのは異例のことだそうです。ニホンジカは群れで生活するため、1度現れると定住してしまいます。被害が拡大する前に早急な対策が求められています。