【奈良岡末造米穀 奈良岡央社長】
「裏切られたというか、全くプロ意識のないことだなと、農家として生産者として、それは私は憤っています」
そう話すのは、創業139年、青森市にある奈良岡末造米穀の奈良岡央社長。2024年、秋田市の業者を通し、初めて仕入れたコメから基準値を超えるカドミウムが検出され、その対応に追われています。
【奈良岡末造米穀 奈良岡央社長】
「今までは大体決まった農家から安定的に来ていたんですが、いろいろコメ不足、流通のことで、うちが今年買わないかという声がかかったので、儀右衛門商店にお任せしますということで、うちが仕入れた次第です」
コメの流通を表した図です。秋田県小坂町の農事組合法人「熊谷農進」が2024年に生産したおよそ86トンのコメは・・・。
地権者や秋田県内外の4業者に流通。
その後、青森市の奈良岡末造米穀におよそ13トンが出荷されました。
東北農政局からの情報提供があり、農林水産省が調査をした結果、2日に奈良岡末造米穀に出荷されたコメから、国の基準値を超えるカドミウムが検出されました。
熊谷農進が生産したコメは自主回収の対象となり、在庫として残っていたコメ8トンはすでに回収されましたが、残りの5トンは精米後、既に県内に流通。
対象となっているのは、2024年11月13日から12月11日までに精米された秋田県産の「あきたこまち」です。
対象となるコメを販売していた青森県民生協では、回収とお詫びをホームページに掲載。
コープあおもりも、商品宅配で対象のコメが配達されたことから回収や返金の作業を進めています。
各店舗の店頭には並んでいませんでした。
農林水産省によりますと、基準値を超えるカドミウムを含むコメを短期間食べたとしても健康への被害はないとしています。
なぜ、基準値を超えるカドミウムが検出されたのか。コメを生産した熊谷農進は…。
【農業組合法人 熊谷農進 熊谷聴代表理事】
「今までにない雪不足で、去年は水不足が発生、それが第一かなと思う」
「(水管理は)やっていたが、水が来なくなり、田んぼに入っていない状況が続いた」
かつて鉱山があった秋田県小坂町。コメからカドミウムが検出されることがあり、通常は出穂の前後3週間ほど、田んぼに水を張り、稲がカドミウムを吸収するのを防ぎますが、水の管理が不十分だったことが要因とされています。
【奈良岡末造米穀 奈良岡央社長】
「うちの会社のコメを信頼して買ってくださった方々への申し訳なさ」
「あきたこまちに関しては、大変な思いをしましたので、全量検査をして、今後安心していただけるものを販売していきたい」