
J3昇格を目指すラインメール青森。昇格に必要となる2位以内を目指し、J3の1つ下に位置するJFLで、上位争いを繰り広げています。
順位とともに必要となるのがホームゲームの入場者数。Jリーグは、入会の条件として平均2000人をクリアすることを条件の1つとしています。
なぜ、平均2000人の入場者数が必要なのでしょうか?Jリーグの担当者に聞きました。
【日本プロサッカーリーグ 大城亨太さん】
「クラブはいろんな活動を行っていますけど、メインはサッカーの興行で地域を盛り上げるみたいなところをメインにしているので、達成できているかどうかという観点で入場者数っていうのを指標の1つに置いております」
青森は、ここまで9試合のホームゲームがありました。6月以降2000人を超える試合もありましたが、平均は2000人を下回る1870人となっています。
そして「平均2000人以上」という人数以外にも、乗り越えなくてはいけない壁が…。
【日本プロサッカーリーグ 大城亨太さん】
「クラブの経営を考えた時に入場料収入というのは当然収入の柱の1つになるので、1千万円ぐらいの売り上げが立つように、ちゃんとチケットも買っていただくようにしてくださいっていう形で、この(入場料収入)1千万円っていう数字を設定しました」
平均入場者数2000人以上とともに必要になるのが、入場料収入1千万円以上という売上です。
無料招待で一時的に人を集めるのではなく、入場料を払って継続的に試合を見る人を増やし、クラブ経営の基盤強化につなげる狙いがあります。
JFL時代に無料招待に頼りすぎてしまうと、J3昇格後に「昇格するとお金掛かるの?」みたいに、集客に苦労するケースがあるようです。
では、先を行くJ3のヴァンラーレ八戸は今、どんな動きをしているのでしょうか?
2018シーズンにJFLで平均入場者数2000人をクリアし、2019シーズンからJ3の舞台で戦うヴァンラーレ八戸。
J3昇格後はコロナ禍を除いても、平均入場者数が2000人を超えたシーズンはありません。
Jリーグに入会すると、平均入場者数が昇降格に影響することはありませんが、八戸は独自に平均入場者数2000人をクリアするための取り組みを行っています。その理由は?
【ヴァンラーレ八戸 野辺地航平さん】
「来場者数多くなればグッズの収入だったりとか、パートナー企業から広告料収入だったりとか、すべてにつながってくるところだと思うので」
入場者数が増えると、広告料収入や入場料収入が増え、選手補強やマーケティング予算がアップ。
良い選手補強ができたり告知やイベント実施ができるようになり、さらなる入場者数増加が見込めます。
Jリーグの過去のデータを見ても、入場者数と成績には因果関係がありそうです。
【日本プロサッカーリーグ 丸木光さん】
「スタジアムの雰囲気が結果に波及されやすいのではないかと実は感じていまして、(コロナ禍を除いて)年間平均入場者数2000人を下回って、J2リーグへ昇格したクラブは今のところいないんですね」
「今後こういったクラブが出てこないというものではないですが、なぜか今まではこうでした」
【ヴァンラーレ八戸 野辺地航平さん】
「J2昇格後のことも私たちとしては考えてやっているので、まずは入場料収入を上げていくというところ、去年のデータ上だと最下位なので入場料収入が。無料の招待というのを少し今年は減らして、その中でいかに来ていただけるかというところなので、いかに選手に興味を持っていただけるか、いかにイベントに興味を持ってもらえるかとか、そういったところでいかに価値を感じていただけるかというところは少し意識してやっています」
チケットを購入して試合を見るということが、チームを支えることになるということなんです。
次のホームゲームは、明治安田J3のヴァンラーレ八戸が23日午後6時半からFC大阪との上位直接対決。JFLのラインメール青森は少し期間が空き、9月6日です。