【むつ湾フェリー 美濃谷邦康社長】
(Q.あと1往復となりましたがお気持ちいかがですか?)「本当に寂しい気持ちと、それから今までよく頑張ってくれたなという気持ちが交錯しているようなそんな状況です。たくさんのお客様にお乗りいただいて、本当にありがたい気持ちでいっぱいです」
外ケ浜町蟹田とむつ市脇野沢を結ぶむつ湾フェリーの2代目の船として1998年4月にデビューした「かもしか」。これまで、79万人以上に利用されてきましたが、老朽化のため、新しい船と交代することが決まり、きのうが最後の運航となりました。
【木邨将太アナウンサー】
「むつ湾フェリーといいますと、やはり、私の後ろに見えます八甲田の山々。そして、そこから続いていく津軽半島、さらには海を挟んだ向こう側、下北の雄大な景色を海の上から一気に楽しめるのが良いんですよね。今の時期、下北の紅葉がきれいですよね」
日の当たり具合によっても様々な色合いに見える紅葉のグラデーション。こうした陸奥湾から見る季節によって異なる景色はもちろん。
「近くに来てくれました。おお~!」
4月から6月にかけては運が良ければイルカを間近で見ることができる船としても親しまれてきました。
脇野沢港を出発する最終便には、観光バス2台のツアー客をはじめ、およそ90人が乗船し船内はにぎわいました。
大漁旗などを振る多くの人達に見送られ出航した「かもしか」。鯛島と夕暮れの岩木山との共演といった絶景を写真に収めるなど最後の旅を楽しみました。
【乗客】
(Q.どうですか、景色)「ちょっと風強いですけれども」「すごい!なんだか後光が差してる」「神々しいですよね」「岩木山。ここから岩木山が見えるなんてびっくり。何か涙出てきちゃったのよ」
「カマイルカ見るために何回も乗ったんですけど、ちょっと寂しいような気持ちできょう1日過ごしました」
さらに、絶景はこれだけでは終わりませんでした。
【木邨将太アナウンサー】
「出航から30分ほど経ったんですが、かもしかを見送るように下北半島の上空に虹が見えています。よく見ると虹2つあります。ダブルレインボーです!」
「かもしか」の27年にわたる運航のフィナーレに華を添えるように現れた虹。「かもしか」の思い出とともにいつまでも乗船した人たちの心に残ることでしょう。
北国での役割を終えた「かもしか」は今後海外へと売却され、暖かい南の島国で活躍するということです。むつ湾フェリーはきょうから冬期休業に入り、新造船「かけはし」は来年4月下旬にデビューする予定です。













