海難事故に詳しい有識者は事故の原因について運航体制の甘さを指摘しています。
17日未明、三沢市の北東およそ20キロの沖合で、広島県呉市の貨物船「末広丸」と、八戸機船漁協所属の漁船「第65興富丸」が衝突しました。
この事故で、漁船の乗組員13人全員が海に投げ出され、ベテラン乗組員4人が亡くなりました。
【興富丸漁業 秋山貴志社長】
「(貨物船側の)見張りが不十分で、一方的に突っ込まれたぶつけられたという感じはします」
漁船の所有者興富丸漁業の秋山社長は、事故発生後の取材に、「貨物船側が責任を持って行動を取っていれば事故は起こらなかったのでは」と話していました。
21日、貨物船を所有する船越海運の役員たちが漁協を訪れ、事故当時の状況を説明。
漁協によりますとその中で、当時見張りを担当していた乗組員が「1人で居眠りをしていた」との見解を示したといいいます。
海難事故に詳しい神戸大学大学院海事科学研究科の若林伸和教授は今回の事故原因について運航体制の甘さを指摘します。
【神戸大学大学院 若林伸和教授】
「居眠りしていたかどうかは別としてレーダーですね、レーダーとか夜間なので、それから両方(の船に)AIS(船舶自動識別装置)が付いていたみたいなので」「貨物船側からするともうちょっと早くから認知して漁船の存在に避けておくことが必要だったと思います」
近年、貨物船は高度にシステム化されていて、針路をセットすれば自動で進みます。しかし、それはあくまで『補助』に過ぎません。
【神戸大学大学院 若林伸和教授】
「コースを変えるなり船がもしいたら避けるとかいうのは全部人間がすることです」
見張り役が居眠りをしていたとすれば、漁船の存在にすら気づかないまま衝突した可能性も高く、回避行動を一切取れなかったことが被害を大きくした要因の一つかもしれません。
【神戸大学大学 院若林伸和教授】
「漁船の方も機関を止めて(操業の)準備をしていたから何もできないかは別として例えば汽笛を「ならして音響信号で知らせるとか可能であれば無線で呼び掛けるとか」「やはり最低一人は船橋に残して周りの見張りをするというのはこれは今後の安全に向けて必要なことだと思います」
船の安全管理体制に重大な欠陥がなかったか。業務上過失致死傷や業務上過失往来危険の疑いも視野に海上保安部による全容解明が待たれます。
八戸市漁協の田村専務理事は「事故の際の状況が分かるカメラ画像を昨日までに八戸海上保安部などに提出した」と話し、「事故の全容を明らかにしてほしい」と話しています。















