青森県によりますと、県内の公立学校で30日以上欠席した不登校の児童・生徒の数は2023年度、小学校で884人に、中学校では1927人となり、ともに過去最高を更新。
不登校の児童や生徒への対策や居場所作りが課題となる中、青森市では2025年度から「特認校」がスタート。どんなことが変わるのでしょうか。
増加傾向にある不登校の対策として青森市で新たに始まるのが、市内全域から入学や転入できる「特認校」です。小学校3校と中学校3校が特認校になります。
青森市北部では油川小学校と油川中学校、西部では新城中央小学校と新城中学校、中部と南部では堤小学校と浦町中学校です。東部については、「市適応指導教室フレンドリールームあおいもり」が引き続き受け皿として機能しつつ、特認校の6校と連携をしていくということです。
今回特認校となる6校では、特色ある教育活動として、未来創造学習の時間を実施し、それぞれの学校で体験活動を充実させます。
例えば、奉仕体験、勤労体験活動、地域ねぶた出陣やかかし制作、ものづくり体験活動、金魚ねぶた制作、文化芸術体験活動、演劇鑑賞など、特色を強化していこうという狙いです。
特認校では始業時間を遅めて終業時間を早めたり、市内全域から入学・転校できます。転校時に必要な「校長の意見書」は不要になり、ハードルが下がります。通学への送迎は各自で行います。市では2月14日に「入学転入学説明会」を実施する予定です。
児童や生徒は「校内教育支援センター」で学習をします。この「校内教育支援センター」は、学校や教室に入りづらい子どもたちのために学校内に設置されるもので、学習のサポートや一人ひとりの状況にあった教育相談などを行います。青森市では、2024年度から市内全ての小中学校に「校内教育支援センター」を設置しています。
青森市内の公立小中学校でも不登校の児童生徒は増えていて、2021年度が435人、2022年度は524人、2023年度は611人でした。
青森市では、2022年11月から「校内教育支援センター」で面談をして、個別プログラムによる対応をしてきました。
その効果もあり、学校に戻れるようになった児童生徒の割合は、2021年度の38.9%から2022年度は69.3%に。2023年度は70%が再び登校できるようになり、支援の成果が現れています。
青森市教育委員会では、2025年度から始まる特認校の6校には専属の教職員を配置し、支援の強化を決めています。ただ、特認校となる学校の校長に話を聞いたところ「内容についてはまだ決まっていない、詳細についてはこれから決めることになる」と話していました。
変化している教育の現場、この特認校がどれぐらい活用されていくのか、今後も注目です。