一見すると、印刷された真っ白い普通の紙。実はねぶた制作で使われた和紙でできているのです。
ねぶたの制作工程の一つ、紙貼り中に出る和紙の切れ端。
これまで廃棄されていた大量の切れ端を、2024年の夏に回収し、再生紙として製品化。卒業証書に使ってもらおうと市内の小中学校に贈る取り組みが始まりました。
14日は、発起人である第7代ねぶた名人の竹浪比呂央さんや、ねぶた師の北村春一さん、立田龍宝さんたち関係者が、青森市の西中学校を訪れました。
そして、全校生徒およそ500人を前に、西中学校、南中学校、沖館小学校の校長に、ねぶたの和紙を贈呈しました。
その後、受験を控えた卒業生へ、竹浪さんから激励の言葉が贈られました。
【第7代ねぶた名人 竹浪比呂央さん】
「賞のことを考えてねぶたを作っていると、良いものができないような気がしています。とにかく後悔しないように悔いが無いように、一生懸命やるということがまず一番大事だろうと思って35年続けてまいりました。皆さんもとにかく、最後まで力を振り絞って全力で努力をするということが大事だと思います」
卒業証書には、ねぶたの和紙からできていることを伝えるため、ねぶた師による絵が添えられる予定です。
【第7代ねぶた名人 竹浪比呂央さん】
「卒業証書というのは子どもたちにずっと残るものですからね、これで郷土愛といいますか青森をずっと心の中に置いて羽ばたいてほしいなと思っています」
卒業証書は3月、3校の卒業式で卒業生に手渡されます。
【青森市立西中学校 長尾信校長】
「子どもたちにとっては卒業証書というのは、節目の年の一番の思い出になるものですので、ねぶた祭を利用した卒業証書のことを思い出しながら、世界に羽ばたいていってほしいなと思っています」