内容を見ていきます。まずは通常運賃です。今の初乗り運賃が1キロあたり670円のところ、900メートルあたり700円に。加算運賃は257メートルあたり90円のところ、244メートルあたり100円に。
さらに冬期の割り増し運賃として、12月から2月までの間、運賃を2割増しとする要望です。全国的に広まっているというタクシー運賃の値上げ要請について県タクシー協会に話を聞きました。
【県タクシー協会 平尾洋専務理事】
「利用者の方には恐縮なんですけれども、運賃改定をせざるを得ない状況」
県タクシー協会の平尾洋専務理事は、タクシー事業者の経営を苦しめる背景には、大きく3つの問題があるといいます。
1つ目はコロナ禍以降、需要が回復しきっていないこと。
【県タクシー協会 平尾洋専務理事】
(Q.タクシー需要)「コロナ禍前と比べて8割~9割程度までしか回復していない状況です」「確かにインバウンドが非常に増えてきています」「それでも8割~9割しかいかない、特に夜が非常に苦しい状況が続いている」
2つ目は物価高騰にともなう車のメンテナンス代といった諸費用の値上がり。そして、最も大きいのが、ドライバーなどの人件費です。
県内でも最低賃金1000円超えを目指す動きがある中、ドライバー確保のための賃金改善は、経営に直結する課題です。
【県タクシー協会 平尾洋専務理事】
「(ドライバーが)コロナ禍前と比べて7割程度しか埋まっていません。3割近い方が退職して補充されていない状況。」「運賃改定をして、それ(賃金改善)に充当するというかたちにもなります」
昨シーズンの豪雪被害の後、複数の事業者から冬期の割り増し要望する声が聞こえていたといいます。
【県タクシー協会 平尾洋専務理事】
「運転手さんそのものが自宅から会社まで来るのも大変な状況だということで、もう1つがタクシーの営業所の除排雪」「昨年の大雪は業者に入ってもらわないと、とてもではないがやれない。そうなると大幅な出費が重なるということで」
利用者にとってはかなりの痛手となる運賃の値上げ。タクシー協会では改定が決まった場合は利用者へ丁寧に説明していきたいとしています。
東北運輸局によりますと、11月19日までほかの事業者からも要請を受け付け、その合計が、県内のタクシー車両数1933台のうち、5割に達した時点で運賃改定の手続きを始めるとしています。