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東北新幹線全線開業15周年③ 新幹線を使った荷物輸送サービス「はこビュン」に密着!‟もの”だけでなく‟魅力”を運ぶサービスとは

2025.12.04(木) 18:45

シリーズでお伝えしている東北新幹線全線開業15周年です。

こんばんは。きょうは新幹線を使った荷物輸送サービス「はこビュン」に密着しました。

まだ日も昇らない、午前5時半前。

青森市のスイーツ店「アンジェリック」では、この日、東京駅で販売するアップルパイづくりが行われていました。

【木邨将太アナウンサー】
「オーブンを開けたら良い香りが広がってくるんですね、そして手際よくリンゴをのせる作業が進んでいきます」

パイ生地を一度焼いた後、スライスした「ふじ」をのせていきます。コンポートも使っていて、リンゴ本来の甘みとほのかな酸味が楽しめます。サクサク・ザクザクの食感も人気です。

店頭では午前中で売り切れてしまうこともある看板商品のアップルパイ。アンジェリックでは毎週木曜日、新幹線を使って東京駅の中にある店に卸しています。

きっかけは県からの問い合わせだったそうです。

【アンジェリックオーナーシェフ 一戸康彦さん】
「新幹線で運ぶ意味っていうか、そういうものを考えた時に焼きたて、朝焼いたものを東京にっていう感じでアップルパイを送り始めました」「賞味期限がその日、当日だけなのでその日に焼いたものを届けられるっていうのが一番のメリットでしたね」「やはりそういう意味では新幹線を使った『はこビュン』っていうのは大きなチャンスでしたね」

この日の注文は120個。できたてホヤホヤのアップルパイを新青森駅へと運びます。駅には午前8時前に到着。アップルパイは、ここでJRの関連会社のスタッフに預けられ・・・。

ホームへ。

この日、東京駅へと運ばれたのはアンジェリックのアップルパイのほか、鶏めしといった駅弁など。どれもこの日の朝作られたものばかり。

新幹線が到着すると次々と荷物が運び込まれます。通常、「はこビュン」の運搬に活用されているのは一般の乗客の目には触れない、業務用の部屋です。

【木邨将太アナウンサー】
「では今回、私も荷物と一緒に東京駅へ向かってどういうふうに売り場に並んでいるのか見てきたいと思います。いってきます!」

「はやぶさ14号」の東京までの所要時間は3時間11分です。

新幹線の速達性・定時制を生かして2021年にスタートした荷物輸送サービス「はこビュン」。昨年度、青森から首都圏へ運ばれたものの内訳を見てみると全体の6割近くを占めているのが地産品や駅弁といった「食品」。次いで、医療関係品、鮮魚となっています。

【JR東日本マーケティング本部 山口修さん】
「特に鮮度の品質を求められるものに関しては非常に向いている輸送だと思っています」「精密機械や衣料品などもニーズが高く、早く運ばなきゃならないという事で速達性のある新幹線を選んでいただいております」

今年4月からは車両2両の客室を使った大口輸送のサービスも始まり、様々な需要の高まりにも対応しています。

午前10時前に新青森駅を出発した新幹線は午後1時すぎに東京駅へと到着しました。

アンジェリックのアップルパイが販売されているのは東京駅の地下にある「のもの」。東日本の食を中心とした地域の魅力を発信する地産品ショップです。

店にアップルパイが届けられたのは午後1時半ごろ。青森のアンジェリックを出発してから、まだ6時間ほどしか経っていません。

【木邨将太アナウンサー】
「午後1時45分を回りました。東京駅のお店に商品が並びました」「新幹線で運ばれたアップルパイが東京駅のお店の店頭に並びました。しかも、人気商品ということで1人5点までとなっています」

販売する曜日と時間がおおよそ決まっていることもあり、店頭に並ぶ時間を見計らって来る人もいるそうです。この日も、売り場に並んですぐ複数個を買っていく人の姿が。

【JR東日本商事 黒川徹雄次長】
「狙って来るお客様いらっしゃいましてほぼ毎週ですね、木曜日夕方ごろに売り切れるという形で大変ご好評いただいております」「やはり5個めいいっぱい買っていくお客さんもいらっしゃいます」

その後も、売り場の前で足を止め商品を手に取る人が続々と。初めて手に取ったというこちらの女性は。

【都内から】
「魅力的だと思います。食べたいなと思う時に(都内で)すぐいただけるのは。」

こちらは、岩手から用事で東京に来ていたという2人組。

【岩手から】
「お初なのですごく気になってちょっと買ってみようと思いました」「普通に走ってるもの(新幹線)使うっていうところであえてトラックを走らせるとかじゃなくて。しかもスピーディーっていうのは良いかなと」

新幹線の速達性とネットワークを生かすことで各地域の魅力的な商品を首都圏に届ける「はこビュン」ですが、それ以外の役割も期待されています。

【JR東日本マーケティング本部 山口修さん】
「我々は地方創生という取り組みも積極的に行っております。地域の魅力をいち早く首都圏の皆さんにお届けするところで各地方の魅力をですね、首都圏から発信していきたいと考えております」

青森の魅力的な商品をスピーディーに首都圏へと届け、青森に興味を持ってもらうきっかけに。

「はこビュン」は青森と首都圏とを「もの」でつなぐサービスとしてさらなる発展が期待されています。

あすは、新青森駅周辺についてお伝えします。
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