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「医療的ケア児」送迎支援開始 今後の拡充に期待

2026.01.23(金) 18:45

「おはようございます」

「医療的ケア児」の我が子が初めて親元を離れて小学校に通学。

「行ってらっしゃい」

この日が来ることを長年信じてきました。

福士裕美さん。長男・叶都君は医療的ケア児です。チューブを使って、たんの吸引や栄養摂取といったサポートを必要とします。

叶都君が親の手を離れて通学するためには、車両を出せるタクシー事業者、医療的ケアを行う看護師が付き添うこと、さらにこれらにかかる費用の負担といった3つの“壁”がありました。

5年前

【医療的ケア児支援検討部会 2021年】
【医療的ケア児の保護者】
「送迎って絶対車使いますよね、実は車の運転ができないくらい(保護者は)疲れている」

2年前

【医療的ケア児支援検討部会 2024年】
【福士裕美さん】
「やっぱり家族なので自分の子どもなのでできる限り、自分の家から送り出してあげたい、そういう思いは親としては皆一緒だと思いますので、1年でも早い支援を届けてほしい」

医療的ケア児の保護者からは毎年のように県に対して要望がありましたが、これまで実現できませんでした。多くの医療的ケア児の保護者は子どもが小学校に進学するタイミングで自分たちで子どもを送り迎えすることによって時間に拘束されます。

これまでのように働けなくなったり場合によっては仕事を辞めなければならず、“小1の壁”とも言われてきました。 その長年の声が届き、2025年度、県立の特別支援学校に自宅から通う医療的ケア児43人のうち6人を対象に県が通学の支援を始めたのです。

叶都君の通学を支援するために、タクシー事業者、訪問看護師、県の担当者が小学校に集まりました。

【青森第一養護学校矢野久光校長】
「車から車椅子に下ろすのは誰になりますか?」

【福士裕美さん】
「バギーを下ろすのはタクシー業社、訪問看護士?どこまでが業務範囲なのか」

【青森中央タクシー】
「特に指定はないですけど」

【青森第一養護学校 矢野久光校長】
「そこしっかりした方が」

それぞれの役割、誰がどこまでの責任を持つかなど議論は続きます。

【青森第一養護学校 矢野久光校長】
「学校で破損したものを見つけた時に、学校で破損したのかタクシーの中で破損したのか」

【青森中央タクシー】
「こちらが何かにぶつかったとか破損したとなると分かるんですけど、通常道路で走っててとなった場合、その場合は難しい」

【訪問看護ステーション健心 相馬健社長】
「例えば、お家出る前に動作確認して大丈夫でした、ただ、車も特に異常なく学校について渡す段階で動きませんというのはこっちの過失となってしまうのはおかしい」

最も重要なのは緊急搬送時の対応です

【福士裕美さん】
「本当に救急要請が必要になった場合に私もすぐに戻るようにするんですけど、訪問看護は乗れない、乗らないんですよ。ちょっとそこがどうしようかなと思ったところなんですけど、学校に連れてくれば先生たちは乗りますよね。 一人乗らなきゃならいというときの対応が、私も極力戻るように」

1人の送迎を実現するのに12人が打ち合わせする実情です。

【福士裕美さん】
「いろんなパターンを想定して、肉付けしていくしかないんだなと思っているけど、未来のある事業だと思うのでこれは。需要もあるし。随分大変な思いしてきたんだねって、(看護師さんが)声を掛けてくれたので、そこ(送迎)の作業を分散できるというのはすごく大きいことだなと思いますよ」

この日は福士さん同伴で実際にシミュレーションしました。

【福士裕美さん】「これが実現できれば、私は仕事に行けるので」

【訪問看護師】「もう出発しているもんね。だいぶ違うと思うよ、皆がやれるようになれば」

【福士裕美さん】「ただ(タクシーの)台数が足りないので」

【福士裕美さん】「台数もだし、看護師もいないとできないよね」

2日後ー
(我が子が初めて親元を離れて小学校に通学するために、支援タクシーに乗車)

【福士裕美さん】
「(タクシー後部座席をガラス越しにのぞき込む)笑ってた」「行ってらっしゃい」
(我が子を載せたタクシーが出発、見えなくなるまで見送っている)
「行きましたね」「最後(車の窓ガラスを)ツンツンってやったら笑っていたので、きょうはママジャないんだなって分かってたんだなって」「本人が不安がらずにできたのは入念にいろんなことにチェックに付き合ってくれたタクシー会社の方や訪問看護のスタッフの方とか何回か顔合わせに来てくれたおかげ」「やっとこうやって送り出せたなという気持ち」

事業は2025年度で送り迎え合わせて1人当たり16回。今後の拡充が期待されます。

※【福士裕美さん】
「送迎で時間できたからこうやって朝ごはんを作ることもできるしコンビニに寄ってコーヒー買うこともできるそんなことが幸せと思う」

※医療的ケア児の通学支援について2025年度県は県内6つの圏域で1人ずつ支援を始めています。 県教育委員会は来年度の事業について「拡充したい」としていますがどの程度できるかは費用面だけでなくタクシー事業者や看護師をどれだけ確保できるかも課題になりそうです。
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