【赤平春菜記者】
「野辺地町漁港のホタテの養殖では、いまタイの食害によって漁師たちが悲痛な声をあげています」
【ホタテ漁業者 吉田東さん】
「何年も高水温でホタテ被害あるじゃないですか。追い打ちのようにやられて、手の施しようがない」
タイの食害を受け、野辺地町漁港に26日、町議会議員が視察に訪れました。
耳づり養殖の貝の真ん中に空いた小さな穴。これがタイの歯形だといいます。10メートルほどのロープ1本についている160枚の貝のうち、生きていたのはたった3枚でした。
野辺地町漁協によりますと、2025年の耳づり養殖のホタテの実に9割以上が、タイによって食い尽くされ、ほぼ全滅状態だということです。
野辺地町漁協で漁業者たちの収入の主力となる耳づりの養殖ホタテ。例年は2月から3月にかけてつるした半成貝を、翌年の夏に成貝として出荷していました。
高水温の影響で、2025年はホタテの生育が進まず、つるす時期が4月から5月にずれこみました。
加えて産卵期のタイが陸奥湾に居座り、餌不足もあいまってホタテが食い尽くされてしまったとみられています。
2026年以降の水揚げにも深刻な影響を及ぼします。
【ホタテ漁業者 吉田東さん】
「作業した人件費だなんだと全部合わせればマイナスです、逆に」
(Q.ホタテ漁業者の存続)「息子の世代に次やらせたいかといえば、親も勧めないと思いますね」
【野辺地町漁協 砂原則行組合長】
「来年は9割母貝がない、残っても1割くらい」
「県・町から、いくらかでも補助金をもらいたい」
陸奥湾では、平内町漁協や横浜町漁協などでも被害が確認されていて、県や自治体による早急な支援策が求められています。