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「医療的ケア児」通学支援 青森県内の現状 支援法施行から5年

2026.09.17(木) 20:00

特集は、たんの吸引や栄養摂取といったサポートを必要とする「医療的ケア児」の通学支援の問題についてです。2025年度から始まった青森県の支援事業。現状を取材しました。

【福士裕美さん】
「自分は五体満足だし、状況さえ許せば、全然働けるのにって」

福士裕美さん。仕事前に医療的ケア児の長男 叶都さんを毎朝、学校まで送り届けています。

医療的ケア児が保護者の手を離れて通学するためには、3つの壁があります。

車両を出せるタクシー事業者の確保、医療的ケアを行う看護師が付き添うこと、さらにこれらにかかる費用の負担です。


【福士裕美さん(2024年)】
「やっぱり家族なので、自分の子どもなのでできる限り、自分の家から送り出してあげたい、そういう思いは親としては皆一緒だと思いますので、1年でも早い支援を届けてほしいという切実な思いです。よろしくお願いいたします」

保護者の長年の声が届き、2025年度に始まった県の通学支援事業。叶都さんを含む県立の特別支援学校に通う6人が、年間で合わせて16回という限られた形での送迎が実現しました。

2025年度時点での対象となる児童・生徒は32人。2026年度も回数に変わりはありませんが、県は「必要な全員に拡充する」としています。

【福士裕美さん】
「会社にね、時間 間に合わなくて申し訳ないなというのが多々あるので、できれば一日も早く使える制度としてちゃんと整えてほしいというのはずっとある」

福士さんは2025年、タクシー事業者を自ら電話をかけて探しました。

【福士裕美さん】
「会社の規模的にも走っている台数を見ても、ここならいけるんだろうなと思って電話したところが、駄目というのがスタートだったので、え、ここ駄目なら次いつ行けるんだろうっていうところには陥って」

医療的ケア児の将来について考える検討部会の専門委員を務める福士さん。対象の児童生徒が増えることで、特定のタクシー業者の同じ時間帯に集中することを危惧し、県に対して質問しました。

【福士裕美さん】
「タクシーの車両の不足というところが問題に挙がっていたかと思うのですが、利用者が増えた場合、対応しきれるのかというところの県での見解というか、今後の見通しはどうなっているのかなというのをお聞きしたい」

【青森県の担当者】
「今年度まだ現状と課題が把握できておりませんので、今年度の実績を踏まえ精査していく、判断していくということになります」

2026年度の事業開始は10月からですが、通学を支える訪問看護の分野の委員からも不安の声が挙がりました。

【青森県訪問看護ステーション連絡協議会 南輝美さん】
「今現在でも、どこまで進んでいるのかというのが全然見えてきておりません」

【青森県の担当者】
「学校から保護者に説明しておりまして、保護者の意向確認を進めているというところになります。学校によっては、まだ説明会をしていないというところもありますので」

一方、県はタクシー事業者や看護師の手配を保護者がするのは難しいと理解を示し、市町村のほか、医療的ケア児やその家族を支援するコーディネーターへの相談を呼びかけていますが…。

【青森県特別支援学校PTA連合会 三村里美さん】
「実際それを市町村の障がい福祉課の方に聞けば、県からは改めて依頼はきていないのでとか、聞いてないですとか、そういう返事がくるんですよね」
「医療的ケア児コーディネーターに関しても、どういうふうに連携を取っていっていいのか、どこにまずそれを相談してどういうふうな形で連携を取っていくのかという仕組み作りができていないのかなという印象があるので、それぞれを連携をお願いしたいのであれば県のほうでちゃんとした形で依頼していただかないと」

【青森県学校教育課 特別支援教育推進室長 越膳一也さん】
「今年の施行実施も含めて、その辺も整理していけたらと思うのでよろしくお願いします」

事業は、学校の通学ということもあり、県教育委員会が実施していますが、医療や福祉といった、ほかの部署との連携も求められます。

【青森県学校教育課 特別支援教育推進室長 越膳一也さん】
「役割分担とか連携とかも含めて、随時検討できればと思っています」

【青森県障がい福祉課 野田千雪課長】
「学校教育課にお任せするというよりは、障害福祉課としてもご協力できるところはご協力しながら本稼働に向けて協力していきたい。一緒に取り組んでいきたいと思っています」

【福士裕美さん】
「あともうちょっとのところ、朝整備できれば、もっと前に進めるのになと思うかな」

医療的ケア児支援法施行から2026年9月18日で5年。法律の目的の一つは、保護者が仕事を辞めないようにすることです。

障がいの有無にかかわらず安心して働ける環境づくりが求められます。

2026年度の通学支援事業は、10月からの4カ月間で実施されます。

医療的ケア児は県内に196人いて、このうち7歳以上が107人となっています。

県立学校に通う児童生徒は90人ほどですが、中には市町村の学校に通う子どももいて県だけでなく市町村も巻き込んだ環境づくりが求められます。
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