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高密植栽培の補助金拡大 地域支えるリンゴ産業維持へ

2025.03.27(木) 18:45

リンゴの高密植栽培についてです。高密植栽培のメリットは「早期多収」。苗木を植えてから2、3年で収穫でき、狭い間隔で多くの木を整列させることで、負担や手間を減らしながら効率良く多くのリンゴを収穫する栽培方法です。

青森県産リンゴの生産量維持に向け、この高密植栽培に対する補助金が拡大されました。

苗木の本数の多さや、苗木を固定する支柱が必要なことから、初期投資にかかる経費がネックとなっている高密植栽培。

これまで、植え替えの場合は定額で73万円の補助金が国から支給されていましたが。

【青森県りんご果樹課 種市順司課長】
「県としても、もう少し支援をしていただきたいというふうなことで、国に働きかけてですね、今回、高密植の初期投資にかかる経費の『2分の1を補助』するという事業が、スタートしたというような状況です」

10アールで始める場合、280万円から300万円程度かかるといわれている高密植栽培。

280万円で単純計算してみると、定額73万円の補助では200万円以上の負担となりますが、新たな「2分の1の補助」の場合は、140万円の負担で済むことになります。

「2分の1補助」の対象となるのは、より植える木の数を多くした超高密植(多収型)という栽培方法。

超高密植(多収型)の基準は、10アールあたりだと333本以上。補助金の対象は最低2アールとなっていて、その場合は70本程度となります。

関連会社で高密植栽培を行う日本農業。生産者に対して高密植栽培導入の支援も行っていて、定期的に各地で説明会を開いています。

【説明会】
「先週少し報道出ましたし、弊社の公式LINEでも流した通り、補助金が増額になりました」
「来年の春の開園分から、見積額の2分の1になりました」

【参加した生産者】
「いくらかでも(高密植栽培を)やりたいなと思って」
「高密植は何年か前に見に行ったことはあるんだけども、興味あります」

(Q.今後取り組む予定は)「私は今のところはないですけど、ただ後継者がもしできた時に、取り組みたいっていう時に、どういうふうに取り組めば良いのか、今から情報得ておけば違うのかなと」

【青森県りんご果樹課 種市順司課長】
「それぞれやりたいもの、やれるものの選択肢の1つとして、高密植栽培を選んでいただければなと思っておりまして」

「リンゴといえば青森、青森といえばリンゴというところでございますので、もうそこは絶対、堅持していくべきところだと思っております」

リンゴの収穫量全国1位を誇る青森県。この地位を堅持するメリットとは。

【青森県りんご果樹課 種市順司課長】
「観光に活用いただいたりとか、そういったことを考えると、相当の波及効果はあるのかなというふうには考えております」

先ほどの高密植栽培の説明会でも。

【日本農業 松本康平執行役員】
「皆さんがリンゴをつくっていただいて、我々が選果・梱包できたりとか、資材屋さんが資材販売できたり、運送屋さんはそれを運んだりっていう、皆さんのリンゴのお陰で、すごく雇用とか地域が支えられていると思っていて」

県内に多くの波及効果をもたらすリンゴ産業。しかし、課題となっているのはその担い手不足です。

国の調査によりますと、販売目的でリンゴを栽培している経営体の数は、2010年に「1万5480」ありましたが、2020年には「1万1464」に。10年間で25%以上減少していることになります。

そういった背景から、作業効率が良く作業をマニュアル化できる高密植栽培が今、注目されています。

【日本農業 松本康平執行役員】
「高密植と言ってもリンゴの栽培なので、そこに携わっていたプロの方々が一番多いっていうのも青森だと思うので、やっぱりおいしいですよね、ものすごくおいしい。自分はもともと青森で生まれ育ったわけではないので、やっぱりいまだに感動しますね」

【青森県りんご果樹課 種市順司課長】
「知名度しかり、『青森県でリンゴを食べたい』『青森のリンゴはおいしい』、これがあるから青森の元気というのは、ますます高くなっていくのかなと思っております」
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