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八戸の産業を支える鉄道とは…? 「八戸臨海鉄道」 その役割は工業地区の“縁の下の力持ち”

2026.06.17(水) 18:45

八戸市内を走る青い森鉄道でもJR八戸線でもない、一般の人は乗ることができない鉄道があるのをご存じでしょうか。地元の産業を支えるその役割について迫ります。

貨物列車が走る、JR八戸線に並行する線路。八戸臨海鉄道です。

臨海工業地帯の貨物を運ぶため、1970年に設立された第3セクター方式の鉄道会社で、八戸駅の北東部にある八戸貨物駅から、沿岸部の工場地帯にある北沼駅までの8.5キロを結んでいます。

この路線で主に運ばれているものは…、こちらの工場でつくられている紙です。

三菱製紙八戸工場。1967年に操業の国内有数の製紙工場です。様々な種類の印刷用紙やパッケージ用の紙など、毎月およそ4万トンの製品を生産しています。

【リポート 木邨将太】
「こちら、工場内にあります製品倉庫になるんですけれども、出荷前の製品がずら~っと並んでいます。こちら見てみますと、黄色い線ありますよね。その向こうには線路があるんですね。プラットホームのようになっていて、工場の中に線路が引き込まれているんですね」

シャッターが開くと、コンテナ車が工場の中へと入ってきます。

到着すると、すぐさま製品の積み込みが始まります。箱に入ったものや、ロール状になっているものなど、次々とコンテナの中へと積み込まれていきます。

こちらの工場では生産される製品のおよそ4割を鉄道で輸送していて、1日当たりおよそ500トンにもなります。

荷物が積み込まれたコンテナ車は工場から北沼駅へと運ばれ、八戸臨海鉄道のディーゼル機関車へとバトンタッチされます。

【リポート 木邨将太】
「きょうは、こちらのDE10型機関車に乗せていただきます」
「ここからですよ、ここから!」

今回は特別に八戸貨物駅まで乗車します。一般の人は乗ることができない区間です。

【リポート 木邨将太】
「(通路が)狭いですね」
「失礼します、よろしくお願いします」
「(運転台が)横向きになってるんですね、どちらに運転しても一定の見え方がするように」

【機関士】
「そうです」

ちなみに、左側が車のアクセルに当たるマスコンハンドル、右側2つがブレーキハンドルです。

【機関士】
「出発進行、発車!」

【リポート 木邨将太】
「やっぱり発車するタイミングは、ちょっと重い物を引っ張る感じで、グイグイグイといくような感じがありますね」

最高時速は35キロ。北沼駅を出た列車は、ゆっくりとしたスピードで進んでいきます。

【リポート 木邨将太】
「景色が開けてきました。ここまでは工場地帯に沿って走っていたのですが、ここで大きく右にカーブして、ここからは馬淵川に沿うようにして走っていきます」

川の上流方向へと向かっていくためか、線路は上り坂に。

重い時には、12両で300トン以上になるコンテナ車を、1350馬力を誇る機関車が力強く引っ張ります。

【リポート 木邨将太】
「パワーを出しながら、少しずつ引っ張っていくぞっていう感じが、例えば旅客列車も機関車で引いていますけれども、それと比べても違った感じがしますね」

もちろん、列車ごとに積んでいる荷物の重さは変わります。

【八戸臨海鉄道 機関士 中村直樹さん】
「数字で見ても(重さの違いが)分かるのですけれども、感覚でも分かります」

【リポート 木邨将太】
「重たい時ってどんな感覚なんですか?」

【八戸臨海鉄道 機関士 中村直樹さん】
「後ろに引っ張られているような感じで」
「もちろん重量が変わるので、制動距離も変わってきますので、そこは気を付けています」

北沼駅を出発しておよそ20分。列車は八戸貨物駅へと到着しました。

コンテナ車はこの後、大阪へ向かう貨物列車に連結され、翌日の夕方には目的地へと到着します。

八戸臨海鉄道では、工場の稼働に合わせて1日3往復を運行していて、最大で170個のコンテナを運んでいます。

【リポート 木邨将太】
「なかなか入る機会、普段はないですよね」

【八戸臨海鉄道 上河浩社長】
「これがうちの機関車です」

続いては、機関車の点検などを行う機関庫へ。

八戸臨海鉄道で使われているディーゼル機関車は3両。このうち2両のDE10型機関車は、JR東日本から譲渡されたものです。

【リポート 木邨将太】
「DEなので、車輪がこちら2つで、反対側に行くと3つなんですよね。これが今となっては珍しいですよね、機関車として」

【八戸臨海鉄道 上河浩社長】
「そうです。DE10ぐらいしかもうないですよね」

2021年からは、機関車の運転体験会や写真撮影会といったイベントを有料で開催しています。

遠くは東京や大阪からも訪れる人がいるそうです。

【八戸臨海鉄道 上河浩社長】
「やはり、どちらかというと貨物というのは地味な分野でして、地域のお客様に知ってもらう、貢献するという意味もございますし、あとは、新型コロナで残念ながら収益も減ったということで、それを補うという意味もございます」

コロナ禍前の数字にはまだ戻らない一方、物流の2024年問題などを背景にした鉄道貨物への転換、いわゆるモーダルシフトによる需要増加も見られるということです。

【八戸臨海鉄道 上河浩社長】
「八戸臨海工業地区を縁の下の力持ちとして、安全・安定輸送の下に支えていきたいと考えています」

一般にはあまり知られていない、貨物専用の鉄道。しかし、その8.5キロの路線が八戸の産業を支える一翼を担っています。
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